ヤフオクを見ていたらオーディオ再熱しそうな感じでやばい〜(2)無響室という貴重な体験

日記

オーディオにハマっていたある日、仕事のツテで異空間に入る機会に恵まれました。無響室という音が全く響かない音響用の部屋に入る機会があったのです。某音響機器メーカーの営業さん&技術さんと打ち合わせをする際に工場を訪れたのですが、時間が空いた事もありその特殊な部屋に招待してくれたのです。

無響質はちょっとしたスポーツが出来る位の広さの部屋でした。床がスチールのネットで持ち上げられている構造で、上下左右全てが、突起物で凸凹した空間でした。全て吸音材(スポンジ)だと聞きました。その中にぽつんと置いてあるスピーカーから音を出してもらえたのですが味気ない音でした。

それも当然です。三人で部屋に入って扉(キャスターで押して閉じる箱状の扉)を閉めた瞬間、目眩がした様にフラフラとバランスを崩しそうになりました。三半規管が狂った様な初めての感覚でした。会話をすると距離感が全く掴めませんでした。音という空気の振動は思っていた以上にこの空間で起きているんだなと実感しました。この響かない空間では声もぼそぼそと小さくしか聞こえません。明らかに異空間を体験してしまったのです。

それから、オーディオに対する興味がかなり変わりました。嫌でも音が響く=空気が振動するという事をイメージします。スピーカーを壁から離すだけで音が変わるという事を言われますが、こういう体験をする事が出来たので音が響いているのは当然だと嫌でもわかります。もちろん部屋の中の家具なども同様です。音楽関係の仕事をしている知人(絶対音感あり)は水などの入ったグラスが置いてあると変な反響音がして気分が悪くなるらしいので仕事部屋には極力物を置かないと話してました。これはかなり特異な例だとは思いますが。

何かの物体を部屋の中に置くことで空気の振動が変わる。極端なことを言えば自分がそこに存在する事だけで空気の振動が変わるし、着ている服の違いでも変わるのです。人が少ない空間では音は響きますが、人が多い空間では音が吸収(分散?)されて響かなくなります。

音響って奥が深すぎる事を嫌でも痛感しました。そして理想の音っていうのは、耳ではなく結局は頭の中(脳)で感じるものだから、オーディオ機器にどれだけお金を投じても無意味だなと思えてしまったのです。むしろ耳(脳)を鍛えるべきだなと。

音は「耳」でキャッチしていますが「脳」で解釈されているのです。それは聞こえたままの情報ではありません。「脳」が学習した経験から無意識に解釈されています。

私達が生活している空間は、直接音、反響音、残響音で入り乱れています。しかし普段そういう事を意識することは通常の人には有りません。音響関係の仕事をしている人にとっては当たり前の事でしょうが、一般人はそれを意識するきっかけすら無いのです。私は無響室を体験出来ただけでもかなり少ない人の部類に入ってしまったのです。

それからは、オーディオやるなら部屋を丸ごと専用にしないとダメだな、とか、家そのものの設計とか材質とか考えないと無意味だなと思えて来ました。極端な話ですが馬鹿な話でも無いと思います。音は空気の振動ですから空気が触れるもの、振動するものを制御しないと音をコントロールする事は出来ません。

こういうことを記すと、こいつまた面倒くさいことを言い出したと思われるかも知れませんが、これは体験した事の無い人には伝わらないでしょうね。

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