先日のOracleが発表した、Redhat Enterprise Linuxサポート・サービス格安提供開始に反応して、Redhatがまずはセオリー通りM&A対策の自社株買い戻し行動にでた様だ。多分当事者達は大騒ぎに違いない。Oracleは確かにRedhatに比べれば大きすぎる会社である。
また、MICOMジャーナルによるとRedhatは、自社のHPに「Unfakeable Linux」に対するコメントを発表し、反撃用ページも設けたとのことだ。商売を邪魔されようとしているRedhatにしてみれば当然の行動だろうが、個人的には手ぬるい対応だと感じる。もっと既存ユーザーを確保するだけの魅力のあるプランを迅速に提示すべきではないだろうか?
何か情報は無いかなと思い、色々探していたらいつもチェックしているスラッシュドットにも当然この内容に触れられたタレコミがあり、自分が読んだ内容の理解を補完する事が出来た。(スラッシュドットは業界人が多いので、自分が理解出来ていない部分を補うのに便利である)
そこで以前から疑問に思っていた、GPLなのにサブスクリプション縛りで配布はおろか、ライセンスが無いと使用出来ないという不可解な内容についておそらく的確であろう解釈のコメントが読めて、なるほどねと納得させられた(マジレスマンさんありがとう)。 確かにRedhatの営業マンは「弊社は製品を販売しているのでは無く、サポートの権利[サブスクリプション]を年間契約で販売しています」と言っていた。
その時に「ISOファイルをCD-Rに焼く事はライセンス違反ではありません」的な事を言っていた記憶があり、私の手元にあるRHELの30日評価版CD-ROM×7枚も「実際に使用しているものと同じ」だと言っていたのを覚えている。契約ユーザーにもバージョンアップ版CD(メディア)は渡さない(WebからISOファイルをダウンロードして自分でCD-Rに焼いて貰う)と言っていた。なんてコスト削減意識の強い会社だろうか(w
それを聞いた時は、かなり柔軟というかルーズな製品?管理をしていて、ユーザーは自由に使えるんだな、流石はオープンソース!Redhat万歳!と勘違いした。実際、これを30日以上使用すること、または人に譲渡する事、コピーする事などはRedhatの商標(ロゴマーク等)を違法に扱う事になる為に、制限されているという事である。下手したらライセンス違反で訴えられるかも知れない。
繰り返しになるが、Linuxカーネル自体はGPLで配布されているので、5つの大きな自由がある。
- このソフトウェアを誰でも自由に実行してよい
- このソフトウェアを誰でも自由に複製してよい
- このソフトウェアを誰でも自由に改変してよい
- このソフトウェアやそれを改変したものを誰でも自由に頒布してよい。有償で販売しても良い
ただし、その際には頒布を受けた者に対し1から4の許可を与えなければならない。- 誰でも自由に複製して配布してよい
これだけを読めば、Redhatだろうが、SuSEだろうが、Linuxなら何でもコピーして使い放題ではないかと言う解釈が生まれるが、実際はそうではない。なぜならロゴマーク等の著作物を含ませておく事により、それを使用する為の「ライセンス」費用が必用になるという、半ば強引なGPLの意図を裏切る仕組みが組み込まれているのである。もっともそれくらいの事をやらないと商用Linuxは現状では使われないのだ。むしろライセンス費用を払うことによって、日本の多くの企業はようやくRedhat等のLinuxをOSとして採用する、なんとも不思議な社会構造が出来ているのが現実である。
そんなこんなで、企業の多くはお金を出して責任の所在をハッキリさせたものしか導入出来ないという事情があるが、私の様な個人にはRedhatのサブスクリプション費用はべらぼう高い!という現実から、RHELとの互換性に拘るならば、Redhatの商標を全て取り除いたクローン、CentOSやWhitBoxを使う方を選ばざるを得ない。同様に恐らく小さな会社ではWindowsサーバーからRHELに移行してサブスクリプション契約すると、WindowsよりもRedhatの方が高いじゃん!という結果になりそうである。かといって小さな会社でCentOSやWhitBoxを使うかと思うとそれは無いと思うので結局Windowsを選択するだろう。そう、このままでは何時まで経っても何も変わらないのである。
ここまでLinux業界を引っ張ってきたRedhat社の功績は大きなモノがあると考えるが、現状のままでは、一時期言われていた様な、対 Windowsの優位性は無いと多くの人が現実を認識し始めているので、Linuxの普及度は上がるどころか尻すぼみに下がる可能性も高くなってきた。Linuxカーネルを使ったOSが 今後のエンタープライズ用途で本当に認められるには、そろそろ本格的に対Microsoft対策(ライセンス費用の値下げ等によるコスト削減)を行わなくてはならないだろう。今まで以上の魅力をアピールしなければ成功はあり得ない。
繰り返しになるが、私のようなボンクラでも、今回の様な競争は何時か出てくると予測していた。今回Redhatのサブスクリプションの理解を一つ深めた事で、尚更だよねと思った。今回はOracleという大きな相手がライバルだけに、もはやこの流れを止める事は無理だと思う。場合によってはOracleはRedhatを食ってしまう事も十分考えられるからだ(それを防ぐ為のRedhat自社株買い戻し行動)。恐らくOracleは本気でそれも考えているだろうし、Redhatもそれを恐れていると思われる。
こうなると、Redhatの反応に対してOracleがどう反応し返すかが興味深い。当分目を離せない状況が続きそうで楽しみではある。


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