NHKのプロジェクトX(録画)を見ていたら、TRONが取り上げられていたのでちょっと調べてみた。
TRONと言えば、中学生の頃から耳にしたことはあった。当然ながら映画TRONも見た。今では信じられない程ちゃちいが、フルCGは当時嫌でも話題になった。当時はパソコンなんて高価なもの買ってもらえるハズもなく、また得られる情報も限られていたのでTRONは名前位しか知らなかった。最近は嫌でも情報が耳に入るので、携帯電話や組み込み系でTRONが使われている事くらいは常識的に知っていた。
しかし、プロジェクトXを見て歴史的にTRONが米国の圧力によって潰されようとしていた事を知り頭に来た。昔の事なので今更頭にきても仕方ないのだが、完全に仕様をオープンにしていた画期的な国産リアルタイムOS=TRONを政治的圧力で潰そうとしたのは許し難い行為だと思う。それでもって日本には技術が無い=アメリカが一番というのが常套手段。許せない行為だ。
アメリカからの圧力が無ければ、日本の教育環境にTRONが浸透していたハズだと知り、おいおい勘弁してくれよってマジに思った。どうやら当時の通産大臣(橋本龍太郎氏)がスーパー301条を盾に取って来た米国からの圧力に負けたためらしい。このページの石原都知事の突っ込み発言がなんとも面白い。
米国の圧力に負けたと言ってしまえば事は単純だが、これが日本のコンピュータ産業の発展を何年遅らせたか今では想像も出来ないだろう。橋本通産大臣が米国に屈した影響は日本の産業に取って、また私たちの世代のコンピュータ技術者育成にも影響を与えていることは間違いないだろう。
私も高校生の時に情報処理の授業があったが、中学生の時から仲の良かった奴がパソコンを持っていたので、そいつの自宅でパソコンを一緒に触っていたから、学校の授業はアホほど低レベルで、課題は直ぐに終わって余った時間でゲームを入力して遊んでいたくらいだ。TRONがもしも学校の情報処理環境に導入されていたら、あんな無駄な時間を過ごすことは無かったのではないだろうか。もっと有意義な時間が過ごせていたのではないかと思うと悔しくて仕方ない。
もっとも、この横暴な行為が無ければ、Microsoft社のWindowsが市場90%以上を独占するという事は無かっただろうと言うのも皮肉なものだ。数年前にMicrosoft社を独占禁止法で訴訟した事例があったが、結局アメリカという国は、出る杭を打つという力で物を言わす国なんだなぁと、改めて思ったりした。これは私だけが感じている事では無いことがネットを調べて分かりました。全く同感です。
しかし、東京大学大学院の坂村健教授による「TRON PROJECT」が、その後息を吹き返して、各企業のメンバーと取り組みながら独自のリアルタイムOSを開発し、それを日本製品に組み込んできた歴史は凄いと思う。よくぞプロジェクトを継続し続けてくれたと拍手を送りたい。今では家電製品、携帯電話、自動車の制御など、組み込み系では欠かせないOSだと言うことは有名だが、そんな辛い歴史があったとは知らなかった。
ビデオを見ながら、Microsoft社とは対局にあるのかなと思ったりもしたのだが、WindowsがリアルタイムOSとは到底思えないし(重すぎる)、今やTRONはWindows以上に普及しているOSなのだから、今後どういう風になるのかなと思いきや、組み込みOSのオープンプラットフォームで知られている「T-Engine」上で動作する「Windows CE .NET」をMicrosoft社が開発するって事で、ふぅんなるほどねって思った。もはやTRONの前ではWindowsもミドルウェア扱いなのねと納得した。
プロジェクトXでは、45分に収められているので、漏れもあると思うが、知識(歴史)を得るきっかけとしては非常に役に立つ。丸々信じ込むのもちょっとどうかと思うが、それをきっかけに自分で調べてみると色々な観点から歴史的な事実を知ることが出来る。個人的には凄くありがたい番組だ。


コメント