普段テレビを観ないので、今頃と言われてしまうかも知れないが、恥をかくことを承知の上で記してみよう。最近どうも気になるテレビCMがある。気になるというのは良い意味ではない。良い気持ちがしないCMなのだ。ズバリそれはAppleのCMである。
これを日記に記そうとAppleのサイトにアクセスしたら、それと同じ動画CMを見せられた。まぁこれは私が同社のサイトにアクセスしに行ったから仕方ないのかも知れないが、まさかWebでも嫌な気分を感じさせられるとは思わなかった。
私が何故嫌なのかと言うと、このCMがMac OS-Xと、恐らくWindows 9x系?を人間に例えて芝居しており、「フリーズして再起動が必用になった」などと、馬鹿にした様子を演じているからだ。
そもそも「フリーズするOSと言えばMacintosh」では無かったのだろうか。同OSのコンプレックスをそのままCMにしてしまったのかも知れない。
Appleはこの定着してしまったMacintoshのイメージを払拭したいが為に、「フリーズするパソコンOS」を仮想的に作り出し、ユーザーの思いこみを利用してWindowsとMac OS-Xの安定性に対するイメージを演じさせているのかもしれない。いや、もしかすると周到に計画された行動かも知れない。何故なら現実には、Windows 9x系(Me含む)を使っている取り残されたユーザーがいるからだ。その様なユーザーがVistaに移行するのを阻止しようとしている可能性が非常に高い。まぁ手法はともかくこの考えだけはまっとうな経営の戦略である。
ここで私のAppleに対する思いを記しておこう。私が初めて自分の所有物としたパーソナルコンピュータは、Macintoshであった。漢字Talk7が発表される直前のモノクロMac「Classic-II」である。マウスとキーボード操作でパソコンを操作出来、コマンド入力などのコンピュータを操作すると言う難しい事を要求しない代わりに、それは非常に不安定で、頻繁に「フリーズ」した。
その時に身に付いたキーボードショートカット「リンゴ」+「S」は、Windowsを使う様になった時にも役立った。その後も初代PowerMacintosh、iMac DVと使ってきたが、いつの間にかMacとは距離を置く様になった。5年以上の付き合いのなかで感じた事は、Macintoshは素晴らしいコンセプトで開発された製品で有ったが、完成度は低くそれがまたミスをする人間と重なり、コンピュータらしくないコンピュータというイメージを受けた。
しかしその製品を作る会社は未成熟で、Microsoftと比較すれば、全く話にならない程お粗末なユーザーサポートしか出来なかった。また製品の出荷計画も甘く、欲しい物が買えないという状態も何度か遭遇した。
一方Microsoftの作るソフトウェアは、徐々に完成度を高めて行き、Windows NT 4.0においては、パソコンがフリーズしないという常識をほぼ確立した。この時点でパソコンのシェアをMSが握ってしまったと言えると思う。MSのサポートは予想していたよりも素晴らしく、Appleのサポートを普通と思っていた私には、MSはかなり手厚いサポートだと実感した。私はMacintoshが好きだったがAppleという会社に信頼は置いていなかったと自覚した。
さて、話を「フリーズするOS」にとされているWindowsに戻そう。Microsoft社は数日後に最新のOS、「Vista」を一般向けに発売する(企業ユーザー向けには11月にリリース済)。それを除外したとして、現状のパソコンOSのシェアを握って居るのは、Windows
XP、もしくは2000だろう。実際我が家でも数台有るパソコンのOSはその様な状態だ。
私は正直言ってWindowsというOSには良い印象を持っていなかった。何故ならWindows 95は余りにもMacintoshの模倣っぽく、またMacに負けず劣らず不安定なOSだったからだ。しかし、技術は徐々に進化して行く。初めてWindows NT 4.0(Workstation/Server)に触れた時に、少々慣れが必用だが、95とは比較にならない程安定していて凄いと正直に思った。同様にMacintoshの不安定さ=信頼性の低さ とは大違いだと思った。それが理由では無いが、仕事の都合上Windows2000環境に移行した。
Microsoft社の強みは、開発環境(Visual Basicなど)を販売していて、GUIによるプログラミング開発が容易に行えたこともある。コレは企業などで使用する業務アプリケーションの開発(ソフトウェア開発会社に依頼して制作してもらう)にも有効で、企業の多くはWindowsプラットフォームを選ぶことになったと思う。
加えてWindows Serverの存在もMicrosoft Windowsのシェアを伸ばした要因として大きい。Windows Serverで構築したドメインに属するクライアントPCを統括的に管理出来る仕組みになっていたからだ。それ以前に業務用でシェアを握っていたNovell(Netware)が完全に置き換わっていったのも当然の流れである。プリンターをネットワークで共有するという使い方も一般化してきた。
現在は、Mac OS X、Windows、Linux、*BSD、Solaris、AIXと色々なOSを使ってきた(HP
UX、TRON等は未体験)お陰で、特定のOSに対する思い入れは無い。どのOSが一番優れているか決められるガイドラインを置く事は不可能だろうし、それを行う事自体がナンセンスだと思う。優れた部分を利用するのが正解に近いだろう。後は好みの問題だと思える。
そんな訳で、極端なひいき目の無い状態で、問題のテレビCMを目にした訳だ。私が初めて所有したパソコンを作ったメーカーが、他社製品を馬鹿にした様なCMを流している。受け入れたくは無かったがWebでもQuickTime動画で流しており、明らかに嫌な意図を感じる。
同社が優れているとアピールするOSの基本部分は、FreeBSDのコードを流用したものだ。*BSDの安定性、信頼性はUNIXのそれを受け継いでおり、パソコンが普及するずっと以前から信頼性を得ている。恐らく一般のパソコンユーザーはそんな事は知らないだろうし興味
も無いだろう。
しかしテレビCMを見る限り、まるでMac OS X以外のパソコンは時代遅れの粗悪品というイメージを植え付けようとしている感じがして、見ていて嫌気がさしてくる。これが公共の電波に乗せて流すCMだからタチが悪い。テレビを見ていると勝手に見させられるからだ。このような構成のCMは、自社のWebサイトでのムービー再生などに自粛して欲しいと思った。
特定の物を指して批判的な意見をブログに書き込む事は好ましくないが、このテレビCMを見て、Appleという会社に反発を感じてしまうのは私だけだろうか?少なくとも私はこの宣伝手法に落胆した。


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