JBL Control 1とBOSE 101MMを比べてわかった違い~ボーズの音質はPA向けに調整されている

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オーディオ歴

オーディオという趣味について若い頃にはかなりハマっていた時期も有りました。当時行き着いた自分なりの答えは、家を設計してオーディオ込みで考えない(家を建てないと)と無理だということでした。これに気づいてしまいオーディオ熱が一気に冷めました。

あれから20年は経っていますが、現在はオーディオに対する考え方が変わりました。

音というものは「耳」だけでなく「皮膚」や「骨」で振動を拾ったものを「脳」で感じ取っているので個人差好みがあり、また体調などでも変化がある基準が変動するものだと思っています。結論を言えば家を音響的に設計して建てたとしてもおそらくオーディオに終わりはありません。

ピュアオーディオ系の大きなスピーカーじゃないとだめだという人もいれば、コンパクトスピーカーの方が聴きやすいという人もいますし、ヘッドホン、イヤホンじゃないとダメだという人もいます。でも車で走りながらラジオで聴いた音楽も良かったりしてそういうのが長らく記憶に残ったりします。

つまりこれがゼッタイだという「正解」みたいなものは無いと思っていますし、「良い音」という表現は人それぞれ違うので難しいものだと理解しています。それが私の今の基準というか前提になっています。なので音の良し悪しの正解は「人それぞれ好み次第」ってところになるのでしょう。

私にとって現在の音楽や映像音楽の楽しみ方は、以前よりずっとカジュアルなものになっていて、重苦しくなく気軽に聴きたいという位置づけになりました。以前は大きなスピーカーでしっかり鳴らしてというのが好みでしたが、そういうのが面倒くさく、耳障りでしんどく感じる様になったのです。

基本的に日常生活においては静寂が好きなので、普段はテレビの音すら煩わしいです。車に乗って移動する時間も結構長いのですがカーオーディオを鳴らすことはたまにしかありません。車の運転中は車の音の方が重要なのでカーオーディオの音はむしろ雑音なんですよね。

そういう私がちょっと音楽でも聴こうかなと思う時には、やはり好みの音質で聴きたいと思うので自分好みの再生環境を整えておきたいのです。しかしこれまた不思議で日によって聴こえ方(感じ方)が違います。しつこい様ですがオーディオに終わり(100点満点)はありません。全て人間の「脳」が関係しているから曖昧だと思うのです。

BOSE 101MMについて

BOSE 101MMは長年使ってきましたが、当時1705Ⅱという専用設計されてセットでも販売されていたアンプを時を経てハードオフで見つけてようやくセットで使用することが出来ました。

組み合わせて使うことで、BOSEが当時目指していたであろう音の方向性をようやく感じ取ることが出来たと思います。多少は経年劣化してる事を考慮しても大きなブレは無いでしょう。非常にわかりやすい個性ですから。

1705Ⅱで駆動した101MMは、耳あたりの良い音を小気味良く空間に発射しているかの如く部屋の中の空気を振動させます。もちろんこの方向性は101MMの特徴だという事は理解していたのですが、1705Ⅱに備わっている専用イコライザスイッチを101側にすると、この個性が一層引き立つ様に現れるので個性を再認識させられます。

101MMは11.5cmフルレンジスピーカー1発のシンプルなバスレフ構造です。内部には音の質を調整しているであろう回路がありますが、本当にシンプルなアナログ回路(フィルター)でありながらこれだけ個性的な音が出せるのは計算された設計をしています。この単純なスペックのスピーカーが一番得意とする箇所をクローズアップして性能を発揮できるのがこの組み合わせなんだと今更ながら気づかさせられます。

スピーカーユニットの動きはハリのある動きですが、逆にいうと「しなやかさ」や「軽やかさ」を感じない動きです。おそらく苦手とする周波数帯があると思います。いやむしろその苦手な周波数帯は不要な音成分だとして設計されたユニットなのでしょう。得意なところを活かす設計をされていると感じます。

ピュアオーディオ的視点

ハッキリ言って101MMは原音を忠実に再現するというピュアオーディオ志向から言えば音響特性は大したこと無いと思います。特に綺麗めな音楽(クラシックやジャズなど)のステレオ音源を鳴らしてみると分かります。ピュアオーディオの経験があれば分かると思いますが、悪くいえばポンポンした音でバランスの悪い違和感を感じると思います。ピュアオーディオ志向の人がBOSE製品を悪くいうのはこういう部分だと思いまからす。

しかし良い意味で言えば聴きとりやすい音が部屋の空気を振動させている事が実感出来るのです。このサイズのスピーカーの特徴でもある「バスレフ」構造が101MMの個性を引き立てていると思います。

このバスレフの穴から元気な音が「ポムッポムッ」と出てきます。スピーカーユニットの振動板が空気を振動させるのと同時にしっかりとした構造で剛性の高いエンクロージャー(箱)が101MMの特徴的な音に大きく関係していると感じます。

極端に言い切ってしまえばBOSE 101MMはオーディオ的では無く、PAスピーカーなのだと気付かされます。ステレオ音源を鳴らしたスピーカーの中央に立ち、位置を動いてみてもベストなポイントが見つけられないモヤモヤを感じます。逆に言えばどこで聞いてもそれなりにきちんと聞こえます。耳に聞こえやすい音を鳴らすことに特化したチューニング(設計)がなされているのでFMラジオなんかは凄く聴きやすいです。

このスピーカーが喫茶店やブティック等の天井に吊るされてBGMを鳴らすという用途の為に多用(支持)された理由が分かります。比較的手頃な価格で販売されたにもかかわらず多く支持された理由が分かります。

やっぱり使ってみると当時BOSEが力を入れて開発したコンパクトなPAシステムだという事を嫌でも感じます。非常に堅牢な作りになっているので長年湿気や熱に晒されたであろう飲食店等で酷使されていながら、未だに生きている個体が中古市場で手に入れられます。故に業務用として耐久性は文句なしです。

JBL Control 1を手に入れた

ここんところBOSEのPA的嗜好に結構ハマってしまった私ですが、ちょっと寄り道をしたくなって、ほぼ同サイズで対極の音質とも言えるであろうJBL Control 1を手に入れる事にしました。動作品とエッジが崩れたジャンク品をそれぞれ入手しました。

JBL Control 1のジャンク品はエッジを交換(リペア)して使っています。

JBL Control 1は、既にモデルチェンジされて新品で入手は出来ない古いモデルですが、ウレタン素材のエッジがボロボロになる以外は今でも通用する銘機です。エッジ崩れのユニットはエッジをリペアすればまだまだ活躍させられます。エッジを自分で交換する手間をかける気がある人ならヤフオク等で非常に安く購入出来ます。

BOSE 1705Ⅱ(アンプ)に接続して、101MMが取り付けられていたスタンドにControl 1を取り付けて鳴らします。Control 1の場合は専用のアダプターが必要です。101MMに比較すると明らかに華やかで艶のある音が聞こえます。101MMからは出てこなかった音がControl 1からは出てきます。こんなにも違うものなのかと改めて実感します。

率直にいえば、101MMに比べるとキラキラした音質という感じです。レンジが広いという方が的確でしょうかね。

101MMのスピーカーユニットに比べると、Control 1のスピーカーユニットの動きはしなやかで軽いです。JBLは音源を忠実に再現しようとする方向性だと思います。そういう意味でBOSEとJBLは対極に位置するのではないかなと感じます。

私がオーディオにはまっていたのは20年程前の話ですし、その頃に持っていた機材は全て手放してしまったのでピュアオーディオからは遠ざかっています。オーディオ用スピーカーは色々な音が広がる感じだったのを思い出しました。

ただ、同様にコンパクトスピーカーであるControl 1からも響く様な低音は全く聞こえて来ません。やはり低音域はそれなりのサイズのスピーカーじゃないと難しいのでしょう。それでもこのサイズからすれば十分と思える中低音は聞こえます。サイズ的に無理があるので迫力のある音や低音楽器(ベース等)をメインで聴きたいならサブウーファーを併用するのがベターでしょう。

JBL Control 1から出る音はオーディオ的で軽くなめらな音質です。このバランスの良さはモニター用途に向いているとも感じます。柔らかくもありながらシャープさも兼ね備えている非常に優等生なスピーカーで、このサイズの筐体から出る音としては驚異的とも言えるかも知れません。

ただ、BOSE 101MMに比べると個性が見えにくいというか、毒が無いというか、綺麗な音がするね・・とサラリと聞き流せてしまう感じが方向性の違いだと気付かされます。(凄いことなのですが)

また、Control 1は2Wayで高音域を再生するツィーターが備わっているので、単純に101MMと比較するのは無理があります。高音域の再生能力は明らかにControl 1の方が優秀で比較にならないのは言うまでもありません。この華やかさはControl 1の個性(優秀さ)の一つなのですから。

JBL Control 1というスピーカー

Control 1は本当に優等生、出てくる音は101MMに比べると華やかです。オーディオ的でナチュラルだし、多くの音的要素が溢れるかのごとく出てきます。この傾向は101MMと比較すれば非常にわかりやすいです。

しかしこれが一般的なオーディオ用スピーカーの常識ですから逆に101MMが特異と言えます。勿論、Control 1が長年支持されてきたのは一般的なオーディオ用スピーカーの中でも突出した何かがあるからでしょう。

Control 1の性能の凄さを一言で言うとバランスの良さだと私は思います。こんなにコンパクトな2WAYスピーカーからこれだけの広範囲の音域をバランスよく鳴らせるスピーカーのスペックは、多くの製品を比べても秀でているのは間違いなく、だからこそロング・スタンダードと言われ改良のベースとなって現在も後継機種が販売されているのでしょう。

映画の音をアンプを通して鳴らしてもAVアンプ&スピーカーとして自然にこなしてしまいます。雨降りシーンの音は雨が降っているかの様に聞こえますし、車の音は車の騒音の様に聞こえます。俳優さんのセリフもリアルに聞こえ非常にナチュラルです。ちなみに101MMでTVドラマや映画の音を鳴らすと違和感(リアリティの無さ)があってしっくり来ませんでした。

また、FMラジオも鳴らしてみましたが、当たり前の様にオーディオ的な音を聞かせてくれます。BOSE 101MMではオーディオ的な感じでは聴くことが出来なかった事を正直に記しておきます。JBL Control 1はコンパクトなオーディオシステムとして、真面目に向き合って聴きたい人向けと言えるでしょう。

101MMを改めて考察

101MMControl 1に比べて性能的に劣っているのか?と自問してみると、私の答えとしてはNoという回答になりました。それぞれのスピーカーから出てくる音の方向性が全く違うので誰でも簡単に違いに気づくことが出来るでしょう。そしてそれぞれの良さを感じ取れると思います。

101MMから出てくる音は、誤解を恐れずにシンプルに言えばPA的です。部屋にさりげなく設置しておいて邪魔にならない音だけを鳴らしてくれるスピーカーだと思います。しかしアンプのボリュームをぐいっと上げるとスピーカーから元気よく音が出てきます。大きな音で長時間聞いても耳(脳)があまり疲れない音です。ちょっとノリの良い音楽を聴いても耳疲れがしにくい感じです。

また人と人の会話を邪魔しにくい音であることは特筆すべき点なのかも知れません。そういう質の音成分だけがスピーカーから出る様にチューニング(設計)されているのでしょう。実に不思議でありBOSE社の目指していた音響へのポリシーと技術力を感じます。はるか昔にこのスピーカーが設計され世に出された訳ですから・・

101MMを計測して特性などを分析してくれている動画があったので紹介しておきます。

用途によって使い分けるのが正解では?

JBL Control 1は多くの音的情報を空間に出せるオーディオ/モニタースピーカーと言えるでしょう。だからAV用途にもマッチするし万能とも言える優等生です。音楽をしっかり楽しみたい場合はこちらをチョイスすると幸せになれると思います。

BOSE 101MMは、このスピーカーならではの聴き取りやすい音だけを空間に出せるPAスピーカーだと私は思っています。BGMを鳴らしている状態のままマイクで店内放送してみたりしても、しっかり伝えたい情報が人の耳に入る特性を持っています。不思議ですが人の話し声を聞き取りやすいのです。

言い換えると重要性の低い情報は間引かれているとも言えるかも知れません。その代わり重要な情報は強調して伝えるという特性ではないでしょうか。これをアナログなパッシブ回路で実現している設計センスは面白くもあり素晴らしいと思います。なるべくしてベストセラー&ロングセラー製品となったスピーカーでしょう。

長年、101MMを使ってきましたので、いつの間にかこういう音が自分の中で標準になってしまっていたと気付かされました。もちろん101MMならではの音は部屋の空気を元気よく振動させるので、性能が低いと感じることはありません。むしろ優秀なスピーカーだと思い続けていました。しかし今回JBL Control 1と比べた事によって、かなり情報を制限してポイントだけを聴かせてくれていたんだなと認識出来ました。カーオーディオなんかはこっちの方向性が良いでしょうね。運転が第一なのですから。

ピュアオーディオ志向の人がBOSEを嫌うという話は昔から聞きますが、原音が持っている音情報を加工して(間引いて)再生する様な事が許しがたいと感じるからなのでしょう。ありのままを聴かせてくれることがピュアオーディオの理念ですからそれに反します。

しかし、音楽は楽しむものですから好みの音が聴けるなら、加工された音楽でも良いと思います。そういう意味では私は昔流行ったグラフィックイコライザでグリグリ好みの音質に弄るのが大好きです。

もし、コンパクトスピーカーに求める要求が、「オーディオを純粋に楽しみたい」のであれば、JBL Control 1の方が失敗は無いでしょう。でも出来ることならBOSE 101MMの音も聞いて比べてみて欲しいと思います。音を調整(加工)されたものがより好みだと思えるならそちらを選ぶ事も幸せだと思うからです。

この二つの機種は既に製造販売されていませんので(JBL Controlは後継機種があります)中古で入手するしか手は無いと思います。元々、そんなに高価なオーディオ機器ではありませんので中古で入手するなら(程度の良いものを選ぶべきですが)更に安く入手できると思います。

つまり私の様に両方を手に入れて気分によって使い分けることも現実的に可能だと思えるのです。ピュアオーディオで音を追求して行くのも楽しいですが、下手すると音を追求しすぎてナーバスになりかねません。楽しみ方は人それぞれなので正解は有りませんがオーディオは楽しむ為にあるものです。

参考)PCをオーディオ再生環境とする案

私は下図の様な構成で楽しんでいます。PCにオーディオインターフェース(DAC)を組み合わせることで、まともなオーディオ再生機器として使えるのは便利です。PC標準のオーディオ出力はノイズまみれですが、DAC等を組み合わせることでほぼノイズレス(ハイ・ダイナミックレンジ)となり高品位な音源として使用できます。

オーディオインターフェースをPCにUSBケーブルで接続して、オーディオアンプとスピーカーに接続した図。コンデンサーマイクも接続出来るオーディオインターフェースなら応用性が高い。

Webカメラも組み合わせればオンラインミーティングにも活用出来ちゃいます

異なるスピーカーを併用する便利さ

BOSE101とJBL Control 1という異なるスピーカーを準備できるなら、是非聴き比べてみて自分自身で評価してみて欲しいと思います。きっとどちらかが気に入ると思いますし、もしかしたら私の様に両方長所があって甲乙つけがたいと言う結論に至るかも知れません。

特別高価な機器でもなく、また大きなものでもありませんから、気分でスピーカーを交換するのも一案です。二種類のスピーカーを設置しておいて、スピーカーセレクターで切り替えられる様にしておけば比較試聴も簡単です。その時の体調や気分にあったスピーカーで聴けるのはちょっとした贅沢ですが十分実現可能です。

旧品の場合は入手が難しくなって来ましたので、どうしても手に入れたいという人は、ヤフオク等もチェックする必要があるかも知れません。私は気に入ったモノはスペアを確保しておくタチなので予備の101MMも1ペア保有していますし、Control 1ももう1ペア保有しています。キリが無いですが入手不可になるとどうしようもないのでせめて1セットは予備を持っておきたいのです。

一時代を風靡したこれらのコンパクトスピーカーに、今更ながら興味を持っている人がいるとしたら、なるだけ良い個体と出会える事を応援したい心境です。なるだけお金をかけない方向で。

BOSE 1705IIは、1705のバージョンアップ版的な位置づけで、出力ボリュームがスライド式でLとRが独立しています。左右のボリューム調整がアンプでシビアにできるので便利です。1705と1705IIを持っていますが、やはり1705IIの方が利便性が高くて扱いやすいです。

BOSE 1706IIは3系統の入力を切り替えられるのと、PAP(Psycho Acoustically Processed)回路を搭載しているので、人間の聴覚による可聴域を自動で補正してくれます。音量レベルを上げすぎなくても全体的な聞こえ方のバランスが取れるという特徴があります。

魅力ある製品を組み合わせ放題

JBLのコンパクトスピーカーもオススメしたいです。BOSEとは全然違う音楽再生を純粋に追いかけた方向性の特徴があるので是非検討してみて下さい。特に中高音域はJBLらしい特徴で華やかに鳴ってくれると感じます。

今時のパワーアンプアンプでアンプを駆動して、古いスピーカーの性能をくまなく引き出すというのも一案です。FX-AUDIO FX-1001Jx2(モノラル✕2回路)なんかはコスパが非常に良いと思います。古いアンプは中古で入手してもメンテナンス(リペア)が大変ですからね。

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