中古で購入時は約50,000kmだったテリオスキッドも、2年乗って70,000kmオーバーになりました。私が乗った距離は20,000km以上になった訳です。
購入時からなんとなくやってみようと思って給油の度にトリップメーターと給油量を記録しながら燃費を計算することをやってきました。テリオスキッドには燃費計がついていないので満タン法で累積して行くことで平均燃費を出しています。なぜなら満タン給油法では結構誤差があるからです。しかし継続は力なりで毎回データを記録し累積して平均燃費を算出すれば、「総給油量」と「総走行距離」から燃費を算出出来るので平均燃費として誤差の範囲に収まります。
この冬になって運転の仕方を色々工夫しても燃費が伸びなくなりました。概ね心当たりはあるのですが、記録して来た燃費データを根拠に考察してみようと思います。
燃費計測データ
走行パターンは夜間(深夜)に高知市〜四万十市まで(片道104km程度)の往復がメインの用途になります。ほとんど信号にひっかかる事はありませんので走行しっぱなしです。途中で道の駅などのトイレに立ち寄ることがある程度です。
たまに買い物などに使うこともあるのでこのパターンよりも走行している場合はそういう事だとわかります。給油する度に追記して来ました。途中でオイル交換をしたり普段と違う使いかたを場合は備考欄に記しておくことで後から読み返した時に参考になる様にしています。
大きなイベントとして、2019年11月にダイハツで「クラッチ盤」と「クラッチカバー」と「レリーズベアリング」を一式交換してもらいました。その時に「ミッションオイル」も交換しました。あとは5,000km走行毎にオイル交換をして来たので大きなイベントはありません。
経験したトラブルは55,000km辺りで3人乗車した時、クラッチの滑りが顕著に現れ、発進が非常にシビアな状態となり限界だなと感じクラッチ交換をしたことだけです。
中古車で50,000km時に購入した時からクラッチの違和感とジャダーを実感していましたが、元のオーナーがどういう乗り方をしていたかは不明です。違和感のある状態で5,000km走行した訳ですが先述の通り一人乗車で高知市~四万十市の田舎道を夜間に一定速度でトコトコ走行させる用途がメインなのでさほど問題と感じていませんでした。もちろん低めのギアに入れてアクセルを踏み込めば元気に加速します。無駄だからめったに追い越しなんかもしませんけどね。
思い返してみれば秋口までは良い感じで平均燃費18km/Lを目前にして来たので、このまま平均燃費を18km/Lまで持っていくぞと思いきや、どうやら気温が下がった時期になると燃費が低下して17km/L前半ギリギリまで下がって平均燃費を下げていく方向にあるのです。給油記録からも見て取れます。やはりデータ収集は重要な資料です。
その後オイル交換の周期に入ったので素直に交換し、これで改善?と思ったのですが、オイルが酷く劣化している訳でも無いので効果は現れません。やはり思い当たる2点の要素が燃費低下に絡んでいるのでしょう。
要因1:タイヤの空気圧低下による燃費低下
一つ気づいている事としては気温の低下によりタイヤの空気圧が低下することによる転がり抵抗の増加が燃費低下の原因だと思っています。これは山越えの自専道を走る区間があるのですが直線の下りで意図的にニュートラルにギアを抜いて転がりの様子をチェックしています。
するといつもと違う(失速して速度低下が起きる)とわかるので空気圧チェックをしなければならないとわかるのです。下り坂でニュートラルにすることについての弊害はもちろん理解しています。しかし車体のチェックを行うには交通量が無い下り坂は格好の検証環境なので私は意図的にやっています。下り坂が終了して平坦になり失速して来たタイミングで5速ギアに入れてブリッピングしクラッチミートして速度を維持します。
このチェックで体感出来た後、空気圧チェックで空気圧が下がっている事を確認したので、燃費低下の一つの原因はタイヤの空気圧低下で間違いないと思います。秋から冬になり気温が急激に下がったら必ず空気圧を適正に調整することが重要です。来年の秋冬のタイミングでは抜かり無い様にしようと思っています。
要因2:気温低下による空燃比の変化
もう一つの要素も体感的に気づいています。気温が下がるとターボ車はトルクが太る傾向が強く現れる様です。テリオスキッド(ターボ付)に乗るまでは、私はターボが付いていないNAエンジンの車ばかりを選んでいました。その方が感覚的に合う走らせ方ができるからです。
限られた選択肢の中でテリオスキッドのMT車、FR車を条件として選んだのでエンジンはターボ付きで妥協しました。テリオスキッドは車重が重いのでターボ付きしかありません。加給圧は控えめなので許容範囲だと思いましたし、片道約100kmの田舎道クルーズにとってはターボ付きでも著しい燃費悪化は無いと考えました。
なぜなら夜間走行においてはほとんどの区間で信号機が黄色点滅になっていて赤信号で停車させられることが少ないからです。一定速度でトコトコ走らせる用途ならこれもアリかなと考えました。
しかし、真冬は冷気によりエンジンの燃焼条件が変わってしまいます。空気の温度が下がることにより空気密度が高くなり空燃比が燃料を多めに噴射しなくてはならないのは内燃機関を少し勉強した程度でもわかります。その代わりトルクが若干太る傾向にあります。これはNAエンジンでも同じですがそれほどハッキリとした違いは感じ取りにくいです。
でもターボによる加給が行われるエンジンであれば軽自動車であってもトルクが太ったという事がわかると思います。特にアクセルペダルを丁寧に操作し、一定速度を保つ走行をしているとアクセルの追加踏み込み量の違いで感じ取れます。あとMT車というのも分かりやすい要素なのかもしれません。AT車と違ってギアを自分の意思で操作するので分かりやすいです。
毎週、片道100kmを必ず通るので既に路面状態なんかも概ね記憶に入っていて、毎回同じ様な運転をしています。運転中は「タヌキの飛び出し」に気をつける程度で、ギアは5速に入れたまま、右足の微調整で速度を一定に巡航させているので、アクセルの無駄な踏み込みもしていません。ですが上り坂に差し掛かった時のアクセルの追加踏み込み量の違いによってトルクの違いはハッキリ感じ取れます。冬はトルクがあるのであまり追加踏み込みしなくても一定速度で坂道を登れてしまうのです。
逆に言えば上り坂でない平地や下り坂でも5速で一定の速度を保つことは、必要以上のトルクを発生させていることになります。内燃機関の弱点でもあると思いますが、同じ回転数を保っている以上、エンジンはその回転数を維持するためにトルクを発生して燃料を消費します。よって片道100kmをずっと燃料微増で燃料を燃焼させているエンジンは、塵も積もれば山となるの理屈で燃費の低下に繋がります。
このことを別の表現で例えるなら、冬期は「インタークーラー」を装着した様な効果が現れていると考えます。私のテリオスキッドには「インタークーラー」は装備されていませんが、冬期は外気が冷え込むことにより「インタークーラー」を装着した様な効果が出てしまうのしょう。よってほんの少しだけ燃料噴射が増加してその「少しだけ」が積み重なりトータルの燃費低下につながってしまうのだと考えます。
燃費を向上させるためには、吸気の温度を上げる改造をするか、外気が暖かくなるまで待つしか無いですね。わざわざ過給器をつけてトルクを増大させているのに、吸気温度を上げてパワーを落とす改造をするというのも無駄な話なのでしませんが。
テリオスキッド(J131G)のエンジンについて
基本的に私はNAエンジンの方が好きです。太いトルクを発生するエンジンよりも、回転数でパワーを稼ぐ方がフィーリング的にしっくりくるからです。不必要な時はなるだけ大人しくエンジンには回っていて欲しい。そして車体はもちろん軽い方が良い。そういうフィーリングの車が自分には合うと思っています。
テリオスキッドは軽自動車の割に車重が重いです。それを補うためにターボ付きエンジンが採用されている(ターボ無しは選べない)車種になります。私がこのテリオスキッドを選んだのは、「旧車なので安い」「軽自動車である」、「MT車である」、「2WDである」の条件が重なったからです。
後で知りましたがこの条件に追加して「NAエンジンであること」を満たす車種として「パジェロミニ」の存在がありました。テリオスキッドを選んだ時はパジェロミニの2WDが存在することを知らなかったのです。もし知っていたら私はパジェロミニの2WD(FR)、MT、ノンターボを探して購入したと思います。運転してしっくり来る車は仕様で大きく違ってくるからです。そういう車遍歴を重ねてきた自分だから仕方ないと思っています。
縁があって今はテリオスキッドに乗っているので、交通の足が必要な内は大人しくこの車に乗ろうと思っています。欠点も多々ありますが、わりとまともで良心的な設計がなされている車だなと感じます。基本的にド・アンダーなハンドリングですが、ちょっとしたテクでステアリング特性も変化させられる素直な車だと思います。
ターボ加給について
ターボ付きエンジンの車を所有したのは、テリオスキッド(中古車)が初めてです。ターボエンジンには良い印象が正直ありませんでした。常時無駄にトルクを発生しているという事と、アクセルペダルを踏み込んだ時の加速が当然の感覚になると、車の各部に負担をかけるという事が分かっているので無駄だと思っていました。
しかし、現車を維持してみて今は軽自動車でターボは有効だと感じます。小排気量でトルクの薄い軽自動車のエンジンにターボ加給を組み合わせることによってトルクの増大が見込めます。当然燃費は落ちます。そこはトレードオフですから仕方ありません。
過去にスポーツ走行や競技走行にも没頭した経験がありますが、現在の私は日常の足である車にそういうことは求めていません。公道で無理をすることが危険だと分かっているからです。どれだけ交通事故が発生しているか今の時代ならYouTube等で事故動画をたくさん観ることができるので理解できると思います。
繰り返しになりますが、ターボによる加給は小排気量のエンジンに相性が良いと考えます。逆に言えばやはり1,500cc以上、ましてや2,500cc以上の排気量を持つエンジンにターボが必要か?と考えると、個人的には不要と思います。NAエンジンの方がレスポンスが良くて運転していても快適です。おそらく1,300cc程度のNAエンジンが最も日本の道路交通事情に適合していて効率が良いと思います。必要なトルク発生と回転数の低さのバランスが取れているからです。
もちろんサーキット走行でタイムをコンマ1秒でも縮めたいなどという用途では、それなりの排気量でも過給器を組み合わせる意味がありますが、買い物や通勤に使う公道車にそういう無駄のある過給器が必要なのか?と疑問に思います。当然ながら加速時や減速時にはタイヤも消耗します。無駄な加速は駆動輪にトラクションがかかることによりタイヤの摩擦が増大し削れるので寿命も縮みます。セコセコ運転ではタイヤマネージメントにも意識を向けることが必要です。耐久レース的な思考ですね。
公道で無駄なパワーが必要なのだろうか?
自動車メーカーはCMや雑誌、ネット等で「高性能=正義」の様な印象を植え付けようとしていると思います。個人的にはそういうことも経験して来たので偉そうな事は言えないとわかりつつ、「無駄だな」と結論付けてしまいます。なにしろそういうパワーを必要とする場面は、普通に道路交通法を遵守して運転している限りはありません。
有り余るパワーとトルクの恩恵を受けられるとするならば、起伏のある地形(上り坂など)でも安定的に同じ速度を保てる事でしょう。坂道に差し掛かっても少しだけアクセルペダルを踏み足す事で難なく同じ速度を維持しながら登って行きます。これが余裕となります。
一方でパワーもトルクも少ない軽自動車のNAエンジンなら頻繁にシフトダウンして回転数を上げて引っ張らなくては一定速度を保つことが出来ません。そういうメリットに留められる理性を持っているなら、精神的余裕を持てる対価として余計に消費したガソリン代を支払うことは自己責任の範囲でしょう。
しかし最近は身勝手な運転による事故動画が多いです。無駄にパワーのある車を操り切れなくて暴走してしまっているのを目にします。日本だけでなく世界で起こっているので一部の人間はそういうものなのだろうなと思います。
昔からある事なんでしょうがドライブレコーダーの普及によって表面化してきたことは良いことだと思います。自動車のパワーによる「マウント」は自分が人より上に立っているという意識を誘発する危険があり、思い込みも甚だしい事です。例えばイキってアクセルペダルを踏み込んで暴走し自爆(自損)するのは恥以外でもありません。まぁそういうのも競技の世界で見てきたので恥ずかしいったらありゃしないです。
今の私の理想の運転は、無駄の無いスムーズな操作です。当然安全を確保した運転であり、省燃費にもつながらなくてはなりません。それらを含めたスムーズで無駄の無さを目指しています。車間を無駄に詰めないことによるブレーキ操作も最小限に留めるとか、早め早めの操作で緩やかな動きをさせるという「基本」を意識します。真剣に考えれば場面場面でより良い操作があることに気づきます。片道2時間を毎週通っていて暇なので、そういうところに意識を持っていくしかやってられないというのが現実なのですが。早く完全自動運転の自動車が出来て欲しいものです。できれば寝ている間に移動したいです。
そろそろ外気温も上がって来ましたので平均燃費18km/Lに向けて安全運転でスムーズな操作を意識し続けたいと思います。テリオスキッドにとって平均燃費18km/Lは思っていたより難しそうです。
コメント
とても参考になりました。
九香さん、コメントありがとうございます。
なにか参考になることがあったとしたら嬉しいです。
退屈な運転を強いられており移動中は暇で仕方ないので、燃費トライアルを現在も続けています。データを集めると見えてくるものがあるので面白いですね。