テリオスキッド(TA-J131G)について~なぜ2WD MTを買ったか忘れない為に記録しておく

TA-J131G 日記

将来の自分のために テリオスキッド にした理由を記録しておきたいと思います。意外とブログを後で読むと忘れている事が多いものです。自分の為にも記事を書いておきます。

いきさつ

仕事先と自宅の 行き来をする必要があるため車が必要になり、否応なしに車を購入する事になった訳ですが、ハッキリ言って車を持つとお金がドンドン出て行くのは誰でもわかっていること。

停めておく駐車場代、毎年の自動車税、車検費用は例え乗らなくても出て行くお金だし、かと言って乗らなければ別の弊害もある。

屋根付き車庫で好条件でナンバー抹消で保管できたとしても、経年劣化で傷んでいくし、そんな環境で保管するのはマニアか希少車を保有しての財テクだろうからかなり特殊な事例。

現実的には、乗れば乗った分のガソリン代、オイル等の油脂類の劣化、タイや等の消耗品、そしてメンテナンス費用がかかる。

軽自動車にすることにした

過去に所有した車はほぼ趣味の為に手に入れた車であったので、こういう事はあまり深く考えない事にしていた。しかし今回は事情が違う。完全に足として使う訳だから維持費はなるだけ節約したい。車に乗りたい訳ではないので車を維持する金がかかるのでは何の為に働いているか分からない。

そこで自分なりに考えていくつかの条件で絞り込むことにした。

・軽自動車にする
・中古車にする
・なるだけ安いほうがいい
・条件が合うなら不人気車種でも構わない
・MT車がいい(ATは嫌い)
・FR、もしくは4WDがいい(FFは嫌い)
・へたっているのはパスしたいので、走行距離は少な目で事故車ではないものがいい

これらの条件をクリアする車種に絞って行ったところ、ダイハツ・テリオスキッドの2WDがFRだということを知った。

幸い、しばらく社用車を借りていたのだが、それがテリオスキッドの4WDでAT車だった。比較的素直な動きをする様に設計されている事は分かっていたので、パワーの無さと車重の重さ、サスペンションのプアさを妥協してもありなのかも知れないと思った。

別に、アルトワークスやケイワークス(ラピュタ)の4WDも候補にしていたが、MT車の中古が高知では皆無に近い状態だと中古車店で言われた。仮に有ったとしても希少性からそれなりの金額になるという事も。

そこで、どうせなら乗った事がありそれなりに妥協点も分かっているテリオスキッドにしようと考えた。しかしテリオスキッドとてMT車がほとんど無い事を知った。

そこで発想を転換して、県外から購入する方向で調べた。高知県内でMT車の数が少ないのであれば、本州(神戸、大阪辺り)で探してみようと思った訳だ。

ネットのおかげでそういう事が現実的に可能な時代だという事を実感した。最終的にネットで大阪の業者が持っているテリオスキッドの2WD(FR)に目をつけ購入する事になった。ただでさえ重いので、出来るだけ軽い方が良いと考えエアロ装備が無いものがベターだと思っていたがそこは要望通りのものが見つかった。

車検が残っていて乗って帰れる(後日名義変更して車検証のコピーを送ってくれればOK)というのもこちらのニーズを満たしていた。というのも輸送して貰ったとしても受け取りが困難であり、自分の自由がきく日に引き取りに行ける距離で調達したいと考えたからだ。自分の休日の時間を費やす必要はあるが輸送コストは抑えられる。

テリオスキッド(TA-J131G)にしてよかったこと

MT車なので慣れたインターフェースが一番安心であり楽だと感じた。個人的に運転は自分のスキルと責任で行うものだと思っているので、一年以上、社用車のテリオスキッド(AT)に乗っていた事と比較してMTの良さを実感した。うん、やっぱりMTがいいよ。

J111G(4WD)にしなくて良かったと思ったのは、やはりアクセルワークで車の姿勢を積極的に制御できる点が大きく違うと感じた。4WDは良い意味でも悪い意味でも安定している。ちょっと暴れたとしてもアクセルを踏んでいれば4輪のトラクションで安定方向に引っ張って貰える。

しかし逆に行えば、何をしても姿勢が安定していて動じないので思い通りに動いてくれない。特に会社のテリオスキッドに乗った時に、なんて言うことを聞かない車なんだ!とストレスに思ったのを思い出す。乗っている内に全てをステアリングで操作すべき車なんだなと4WDの特性に慣れても来た。

4WDは雨の日でも普通の走らせ方をしている限りは安定している。ステアリングで行きたい向きを指定し、アクセルを踏めばタイヤが限界を越えない限りはトラクションがかかるので前に前にと滑走してくれる感覚だ。これは安心にもなる。

しかし、過去ずっとFR車に乗ってきた自分にとっては、アクセル操作で姿勢を調整しながら曲げるという慣れたフィーリングが通用しないのはストレスでもあった。

TA-J131Gに乗った時は、なんて軽快なんだろうと思った。実際、テリオスキッドは鈍重な車体なので軽快さを感じることはあまり無い車だと思うが、4WDから2WDに乗り換えた時点で軽快だと感じるのは、駆動方式の違いが明らかにあるという事だ。

加えてMT車ではアクセルを戻した時の所謂エンジンブレーキが姿勢制御の有効な効果となる。良いタイミングでアクセルを戻しつつステアリングを切ってやるとスススと向きが変わる。感覚的には4WDではステアリングで無理矢理向きを変えていた感覚が、FRの場合はアクセルで向きを変えられる感覚だ。ただしサスペンションストローク幅が広いので車体がかなりロールする(傾く)し、反応するまでにはタイムラグがある。ロールが落ち着いたら素直な弱アンダーステアが顔を覗かせる。これは分かる人には賛同して貰えると思う。

駆動方式による伝達ロスの少なさも2WDのメリットだと思う。4WDの場合は燃費が13km/L程度であったが、2WDの場合は15~17km/Lは走る。タンク容量は40Lと聞いているが、実際は30Lちょいで給油しているので、燃費2kmの違いでも60km余計に走れる事になる。

結構マニアックなこだわりだと言われた、2WDでMTのテリオスキッドを選んだ訳だが、それなりにキビキビと思い通りのフィーリングで走れて、燃費も良いのであれば大成功だったなと思っている。

テリオスキッド(TA-J131G)にしてよくなかったこと(改良の余地あり)

年式が古いのでエンジンも古い。当時の評判からしても燃費が悪いという指摘が多かったこともあり、今の時代の軽自動車と比べるとかなり燃費が悪い。ひとえにこれは車重が重いのが原因だと分かる。オフロード向けにラダーフレームをビルトインした構造だと聞いているので重いのは仕方ない。

乗り心地はハッキリ言って良くない。サスペンションがプアなので、柔らかくゆらゆらするかと思いきや路面の凹凸は拾ってズンズンと突き上げてくる。路面状態があまり良くない舗装路ではタイヤが跳ねている感触もハッキリ感じ取れる。柔らかいサスペンションの割に突き上げてくる感じがあるのがなんとも惜しい。しかしボディ剛性は比較的高いと感じるし少なくともヨレる感じは伝わってこない。

ここからはかなり細かい(神経質)なところまで書きます。おそらく普通の人は何を言ってるか分からないと思いますけどね。

まずロール量が多くステアリングを切ってから一呼吸待たないとサスペンションが落ち着かないため舵が効かない。つまりステアリング操作に対する反応は遅い。落下物などを発見し急ハンドルで避けたとしても動き始めるのが遅いので踏んでしまう可能性は残る。例えるならスキーの体重移動(荷重)に近い。しっかりと外側足のスキー板に体重を乗せてからでないと曲がり始めないのと似ている。感覚的には「よっこいしょ!」という感じだ。

電子サーボ式ステアリングはせっかくのFRのメリットを殺しているので大幅な減点。肉体派では無い私だが後輪駆動車にパワステは不要だと思っているので、この車のステアリングのフィーリングの悪さは残念過ぎる。更にテレスコピックはおろかチルト機能も無いのでステアリングが上向き過ぎて手が届きにくい。エアバッグ付きなのでスペーサーを噛ます訳にも行かず、せめてスペーサーなどを噛ませて少し手前にチルトさせて調整しようと思っている。

プアな足まわりと言えども、FRならではのステアリング調整&アクセル操作で姿勢を制御出来るメリットが死んでいる。パワステの質が悪くて微妙な操作が効かないのだ。せめてパワステはオイルポンプ式にして欲しかった。車体は割と素直な動きをするのにもったいなさすぎ。

FRの姿勢制御を身に付けている人なら電子サーボ式でも学習的にそれなりにコントロール出来ると思うけれど、運転する楽しさはかなり減ると思う。電子サーボの動きが段階的(カクカクしている)で微妙なステアリング調整が効かないのは感覚的にストレスを感じる。

スポーツカーではないのでそんなもんでしょうと割り切るしかない。車を足としてしか使わない大多数の人にはこれ位のざっくりさで十分なのかも知れない。

サードパーティーの部品がほとんど無いのも泣き所。J111Gであればサードパーティー製品のサスペンションパーツや、駆動系のパーツも多少はあるが、J131Gについては皆無と言って良いほど見あたらない。

個人的には機械式LSDが無いのが非常に残念。2WAYの機械式LSDを装着すれば、FRならではの自在なフィーリングを向上させられるのに。カスタマイズで締め上げる方向の選択肢がないのは残念だ。個人的にはもう少し緻密さが欲しい。

MTはATと違って、運転席の足元の左側にクラッチペダルがある為、AT車では確保されているフットレストが無い。ATのテリオスキッドでは気づかなかった弱点。左足の置き場に困る(結局脚を伸ばしてクラッチペダルの奥の方に足を置いている)

慣れるまでは体が左側にすぐ倒れそうになって腰が痛くなっていた。慣れれば、クラッチペダルの下に左足を置いて有る程度バランスを取れるが、慣れるまでは体を保定するのが大変だった。

シートが左右非対処でセンターに座りにくく構造的にもチープなので体を支える能力が弱いのも災いしている。もう少しシートを工夫して欲しかった。レカロ等のシートに替えるのも一案だが幅が狭いので取り付け可能なシートも限られる。シートレールの種類も少ないのが実状なのでかなり制限がある。

左足膝辺りで体を支えられる様にセンターコンソールを少し張り出してくれても良かったのではないか?この辺りは自分で工夫してパッドを当てる等して、膝で踏ん張ることも必要かも知れない。

そして良くない点の最後に記しておきたいのはクリア塗装の弱さ。紫外線等によりクリア塗装が劣化して剥がれてしまい、ボンネット、ルーフの塗装がしらけてしまっている。年式が古いとは言ってもダイハツ車特有のクリア塗装の弱さと言われるので仕方ないが残念なところ。塗装すると数万円飛んでいくので我慢して乗るか、乗り続ける覚悟で塗装するか・・DIYで簡易塗装とするか。

最後に

良い面、良くない面を記したが、軽のSUVとして当時は人気があった軽自動車だけあって、年式を考えれば全体的に良くできているとは思う。

J131Gはアフターパーツも無いので、大人しくメーカー純正でバランスを保った状態で、メーカー設計の範囲で乗るのが正解だと個人的には思っている。

というのも、案外メーカー設計は安全面を重視しているので、その範囲で乗れば安全は確保されていると思う。下手にいじってバランスを崩せばストレスしか残らない。一箇所をいじればバランスが崩れるので他で調整しなくてはならないが前述の通りパーツが無いのでそれも難しい。故に何もしない(純正を維持)が一番得策だと思う。

思い起こせばテリオスキッドに初めて乗った時、コーナーで車が倒れると思って自分の体のバランスをとるために片足が浮いた恐怖を覚えている。実際には車体が倒れることはまず無いと思われるが、ロール角が深いのでハイトの高い車に乗った事が無い人はかなり違和感(恐怖)を覚えることだろう。

徐々に車がどこまで大丈夫なのか試してみたりもしたが、倒れる前にタイヤが鳴き滑り始める。J131Gの場合は深くロールさせた場合にデフによって内側の後輪が空転するのでトラクションもかからなくなる。トラクションが失われそうなギリギリの辺りでコントロールすればリスクも少なくスムーズに旋回することが出来る。

よって、見合わない車でスポーツ走行を頑張っても限界を突破することは難しく、危険が伴うだけだと思う。それであればメーカーが設計した範囲でいかにスムーズに走れるか、心地よく乗れるかを楽しんだ方が良いと私は思っている。そういう楽しみ方ができる人にはこの古い車両も十分魅力を感じとれると思う。

なお、メーカーが設計した安全範囲は意外と高いところにあり、安全が確保されたところでちょっと頑張ってみたところ、前輪、後輪が流れ出すスピードでコーナーに入っても、深いロール角のおかげかニュートラルステア付近でコーナーをスムーズに抜けることができる(アンダーステアから弱アンダーで収まるので、オーバーステアは全く顔を出さない)。もちろん一般的な純正レベルのタイヤでの話なので、スポーツタイヤを使った速度域の話では無いからスピードは知れている。

それでも完全に法定速度をオーバーする領域での話なので、制限速度+α程度であれば何事もなく走れる性能は持っているはずだ。

テリオスキッドに乗り始めた当初は、ハイトが高い車体なのでブレーキを多用しなくてはならないという印象を持っていたが、J111G/J131G共にそいう事は無い。車間距離をきちんと取って適切にアクセルOFFすればきちんとフロントに荷重が乗るので、後は深いロール角をつかってしっかりと加重移動させてやれば、特にJ131Gは思いの外良く曲がるし言うことを聞く。

ロールが落ち着いてタイヤが押しつぶされる感覚の辺りは非常にコントロールし易い。もしJ131Gに機械式LSDを装着出来るなら、ホイールベースが短くリアが流れ出してからもトラクションをかけられるのでドリフト遊びも比較的容易に出来てしまうチョロQみたいなホビー車にもなり得たと思う。

しかし残念ながらJ131G(FR)用の機械式LSDは販売されていない。J111G(4WD)用はオフロード需要があるせいか機械式LSDが販売されている。J111G用をJ131Gに流用出来ないかリサーチしたところ、リアのホーシングをJ111G用を流用する方法があり、ドライブシャフトもJ111G用を合わせて流用すれば移植は可能らしい。

もしこれが実現すれば、J131Gはおもちゃになりえる車だと思う。なぜドリフトに機械式LSDが必要かは言うまでもないと思うが、敢えて記しておくとアクセルコントロールでトラクションのかかり具合、グリップを失う加減を調節出来なくてはドリフトを維持出来ないからだ。純正デフでは浮き気味になった内側タイヤが空転しトラクションを空にしてしまう。よってドリフト状態を維持出来ずコントロールすることは出来ない。

仮に無理してフロント荷重で突っ込んで一時的にリアが流れたとしても失速によってグリップは回復する。それでは継続してコントロール出来ている事にはならない。コーナリングフォースとトラクションの加減を右足(アクセル)でコントロールする為にスポーツ走行にLSDは必須アイテムと言える。また2WAYならアクセルOFFでも効果を発揮するため進入のアクセルOFFを活用出来る。J131G用の機械式LSD(2WAYが好みだ)が無いのが本当に残念だ。

という訳で、現実的にテリオスキッドを玩具にするならオフロードでも楽しめる4WDのJ111Gのものだろう。反面、カスタマイズの余地も無く足として使うだけならFRならではの軽快さをかいま見れるJ131Gが燃費も良くて割と静かでおすすめだ。私の場合は会社からJ111Gを長期間借りられた事で4WD/2WDの乗り比べが充分に出来たのはラッキーだったかも知れない。

冗長するがJ131Gはアフターパーツがほとんど無い。よってカスタマイズの余地が無いので、いじって遊ぶとか言うつもりは無い。勤務先の異動等で足車が不要となったら手放すと思う(長期的に所有しようとは思っていない)が、安く購入出来た中古車で、決定的に大きな不満もなく、自分の言う事を利く車に乗れているのは幸せなのかも知れない。軽自動車にしては車重のヘビーさが最大の弱点だが素性は良く出来た車だと思う。無駄の無い運転を意識するとまた奥が深く、少なくとも退屈な職場と自宅の行き交い(週末帰省)は苦痛では無くなった。

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