Parrot Security 7.0(Echo)
Parrot Security 7.0がdebian13をベースとして、ペンテストツールを揃えて良い感じに仕上がっているという情報を得たので試してみることにしました。
Parrot OS 7.0の特徴としては、デスクトップKDE Plasma / Waylandを採用しており軽量に仕上がっているということで、ベースとして採用されているdebian13が良くできていることからも期待ができます。
普段LMDE6/7を使っている身としては、Cinnamonではまだ対応していない「Wayland」という新しい方式のディスプレイサーバを採用していることでグラフィック周りのパフォーマンスがどう改善されているかも気になります。
ISOファイルをダウンロードする
私の場合は、VMではなく実機にインストールするので、Live版の「Home Edition」を選びISOファイルをダウンロードしました。ちなみにLive、Virtual、IoTから選べます。
蛇足かも知れませんが、VM環境で動かすならVirtual、ラズパイ(Raspberry-Pi)なんかで動かす用途にはIoTを選択することになりますね。PCで動作させる場合はLiveで起動してインストールせずにオンメモリーでお試しすることもできます。
Live版は「Home Edition」か「Security Edition」を選べます。取り敢えずデスクトップOSとしてのフィーリングを試したいので「Home Edition」をダウンロードです。
「Security Edition」にはセキュリティやネットワーク調査に使えるツールが各種キッティングされているので、そういう目的であればかなり魅力的です。Parrotを使って旬のツール類に触れることができますし、そこを入り口にして深堀りして行くことができます。
Parrot OSは利用ユーザーが少ないせいか公式サイトのサーバーパフォーマンスは低い様で(ネットワーク的に遠いせいか)、レスポンスがあまり良くなくてダウンロードにもやや時間を要します。(インストール後に行ったリポジトリサーバーからのアップデートもダウンロードに若干時間がかかりました。)
公式サイト自体はキッチリと作り込まれているので好印象です。ユーザー数が増えれば強化してくれると思うのですが今のところは弱いですね。ユーザー数が増えてくれれば面白いディストリビューションになる可能性を秘めていると感じます。
さて、ISOファイルを入手したらいつも通りVentoyで作成したマルチブータブルUSBメモリーに保存して、実機(Let’s note CF-SZ5)でBOOTしてインストールしました。インストーラーの細かいことまでは気にしていませんが、実機へのインストールはdebianと同じ印象で可もなく不可もなくです(日本語キーボード設定にバグあり)。Linux中級者であればなんら問題なくインストール、及びインストール後の調整は可能でしょう。Linuxビギナーが初めてのLinuxディストリビューションにParrot OSを選ぶことは無いでしょうし、この記事を参考にすることは無いと思うので問題なしだと考えます。
UI的な不満を容易にカスタマイズで調整出来るKDE Plasma
Parrot OS 7.0をインストール直後のデスクトップ環境はかなり違和感ありのKDE Plasmaです。タスクバーが画面上にあるというのがまず違和感ですね。でも簡単に画面下に移動出来るのでデフォルトがこういう配置なのは意味があるのでしょう。

次の違和感は、ウィンドウ最上部にある「閉じる」「最大化」「最小化」ボタンが左側にあることです。視覚的にMacOSを意識しているのでしょうか。仕事でMac端末に触れることもありますが、自分で使う環境としてはこれらのボタンが左側にあると使いづらいので移動させます。

閉じるボタン等を右側に移動する
KDEの設定から、「色とテーマ」、「ウインドウの装飾」、「タイトルバーのボタン」まで入るとタイトルバーのカスタマイズができます。閉じるボタン等をマウスドラッグで右側に移動させました。他のボタンも配置も可能ですが、取り敢えず位置的な違和感が解消されれば良いので現時点では必要以上にはカスタマイズしません。

閉じるボタンなどを右側に移動させたら普通に使えるウィンドウになりました。ちょっと手間ですが柔軟なカスタマイズが出来るという点はメリットなので、KDEの方針に従い自分流のUIにカスタマイズするのがKDE流でしょう。

日本語環境を整える
インストーラーにバグがあるのか?わかりませんが、日本語キーボードを指定しても英語配列のまま変わらなかったので、取り敢えずインストールを終わらせてから日本語キーボードの設定をしました。やはり日本人ユーザーや日本人開発者が少ないディストリビューションだと思うので、debianから引き継いだままの日本語環境の整備不十分さは妥協して受け入れるしか無さそうです。
実際のところFcitx、Mozcなどを任意にインストールして整備してやれば済む問題なので大したことはありません。この辺りの事情もベースとなっているdebian13の面倒さをそのまま継承していると感じます。

Parrot OSの方向性としては、セキュリティを意識したアプリケーション等を採用してそういう用途に便利な環境を提供するディストリビューションなので、「自分なりの使い勝手の良さを求める方はご自由にカスタマイズして下さい」、というところでしょうか。KDE Plasmaが軽量なのも旧型PCで使用するにはサクサク動作で非常に良いです。
比較すれば日本語環境での整備や全体的な完成度の高さは、Linux Mintのセンスの良さを感じます。LMDE6/7ではこういう煩わしさがほぼ有りませんからね。現状のLinuxデスクトップOS(ディストリビューション)の多くでは、まだ日本語をすぐに快適に使える状況には至っていないと感じます。Parrot OSも日本語環境の整備には若干手がかかります。
Parrot OS 7.0の軽快な動作に好印象
私が今回使用したハードウェア(ノートPC)は、Let’s note CF-SZ5です。手持ちのハードウェアの中では古い型なので、処理能力も今となっては大したことのないPCですが、Parrot OS 7では期待通りサクサクと動作してくれて動作の遅さというストレスは感じません。
例えば、Zorin OS(Ubuntuベース)ではややもっさり感がありましたが、Parrot OS 7ではそういう感じはありません。debianベースであり軽量なKDE Plasmaを採用していることもありますが、Waylandによりグラフィック周りが刷新されたことによる描画のもたつきが起こりにくいのもあるかも知れません。
やはりデスクトップOSのGUIは、OSの処理が複雑になって描画がもたつくとか、ボトルネックになっているんだと気づきます。古くから採用されてきたX11やX.orgを捨てて、新しい規格にしたWaylandではかなりGUI周りのレスポンスが改善されているという印象を受けます。WaylandをサポートしたKDE Plasmaに好印象です。
それにして、やはりdebianベースというのは強いですね!旧型のノートPCでもサクサク動作するので嬉しく思います。コレは気に入ったので、しばらく使い込んでみようと思います。
これだけ良くできているディストリビューションなら、ネットワーク系やセキュリティ系のツールをキッティングしてある「Security Edition」も使ってみたいと思えてきました。同類とされるKali Linuxは以前の仕事ではネットワーク調査用に使っていましたが、雑然としていて慣れるのに苦労しました。Kali Linuxよりもツール類が整理されているらしいので、実用性も高そうに思えます。


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