Panasonic Let’s note CF-R8を今更しつこく使う〜LMDE6 32bitで普通に使える環境になった

Linux

Linux Mint Debian Edition 6をLet’s note SZ6で日常的に快適に使っています。若干窮屈だったキーボードにも慣れてとても快適なので、Windowsパソコンを起動することはめったになくて、もっぱらLMDE6を使っています。

ひょんなことより、CF-SZ6よりも更にコンパクトなLet’s note CF-R8を手に入れたので(捨てるそうなので貰った)まだ使えるのかどうか検証がてら使える状態にしてみることにしました。

CF-R8はWindows Vista時代のIntel Core 2 Duo U9300 (2) @ 1.201GHzが載っているPCですが、U9300というCPUがローエンドなものなので処理能力はすこぶる低いです。搭載メモリーもオンボード1GB+増設1GBの合計2GBと貧相なハードスペックです。Windows Vista時代のPCは」とにかくハズレが多い時代だったので、PCハードウェア製造メーカーにとっても黒歴史を残したと言えるのかも知れません。

今回は、トドメに2.5インチHDD仕様なので、入手した状態ではWindows 10 32bit版すらまともに動作しない状態でとにかく激遅くて話になりませんでした。これは叩きつけたくなるレベル。捨てると言ってたのも納得いきます。世間一般では完全にゴミでしょう。

ただ、この遅さが原因なのか、ほぼ使われていなかった様で見た目はとてもキレイです。傷らしい傷も無いし幸いにもバッテリーはかなり状態が良さそうです。デザイン的にも結構完成されたLet’s noteだし捨てるには惜しくなって来ました。このコンパクトさは最大の武器ですからね。

いずれにしてもWindowsでは無理なのでLinuxに変更して使う前提で、HDD(120GB)をSSDに換装します。OSは実用的な範囲で軽量版を採用する方向で探ってみます。

もはやシステムストレージにHDDは無理がある

しばらく実験的に弄ってみると、HDDの遅さに嫌気が差してきました。とにかく遅いし煩いのです。煩いという程の騒音では無いのですが、CF-R8に備わっている小さな冷却ファンの回転音が全く聞こえない位にスピンドルの音が邪魔をするので、コレはSSDに換装する必要があると感じました。「コリコリコリコリ、カツカツ」という音が常にしています。HDDからの発熱も多いみたいです。

メモリーはオンボード1GBで増設1GB(最大4GB)という仕様になっています。Vista時代のPCはこの制限仕様が多かったですから仕方ありません。つまりオンボード1GB+4GBとしても最大の4GBが限界となります。余っているDDR2メモリがあれば実装してみることも考えますが、とりあえず一番遅いHDDをSSDに換装します。

分解がとても面倒くさい(ネジの種類も多い)

私の場合は、Let’s note CF-SZ5,SZ6,SV7,SV8と触ってきたので、このCF-R8を分解していて途中で諦めたくなる気分になってきました。SZとSVは底からネジを外せばパカッと開けられます。そういう手軽さがありません。

老眼で目が見えにくくなっていることも関係していますが、ネジの種類が各種あるのでいちいちメモして置かなくてはならないし、分解手順の中にフィルムシートを剥がす等の破壊的な手順もあるので精神的によくありません。メモリー換装の小窓が付いてる点だけ評価ですがほぼ無意味です。

CF-R8は今更買う価値は無いので止めておきましょう。

SSD換装のために殻割りをする必要がありましたが、ハッキリ言って面倒でストレスです。構造が複雑なので、SZ5,SZ6,SV7,SV8が神機だと思えてきます。もうコイツの分解組み立てはやりたくありません。中近専用メガネが無かったら無理だったかも知れません。

  • キーボードはウラ面のバッテリーを外すとシールが貼ってあり、それを剥がすと金属のクリップが3個使われてキーボードの爪を固定しています。
  • パームレスト両側角の三角部分はアンテナの保護カバーになっていて、ツメがかかっているので構造が分かるまでどうやって外す?と悩みました。指の爪が傷だらけになりました。
  • 底面ネジは種類があるのでネジが混ざらないように工夫が必要です。マグネットシートなどを活用してどの部分のネジか覚えておく必要があります。作業スペースは広い机がほしいです。
  • キーボードは特殊な構造で柔らかいベースに一体構造(Panasonicの技術が集まっている)で関心させられますが、フラットケーブルの取り外しなどやりにくくてストレスは感じます。
  • とにかく細かいので目が見えないと辛いです。老眼になる前はこんなのは余裕だったんですけどね。集中力も弱くなったのでこういう作業は苦手になりました。

OSの選定

SSDに交換した後、組み立ててOSをインストールすることにしました。64bit版を入れてみたものの動作が鈍いので、32bit版のあるdebian/LMDE6の二択になりました。メモリーが2GBしか実装されてないので結局LMDE6に落ち着きました。SSDは手持ちの余っていたADATA 128GBを使用しました。

当然ながらHDDの音がしなくなった

HDDからSSDに換装したので、当然ですがHDDの音はしなくなりました。かなりスピンドルの音がしていたということに気付かされます。そして発熱がかなり減りました。パームレストとキーボードの位置が暖かかったのですが、ほんのりとした温かみに収まっています。

そして動作音は冷却ファンが静かに回転している音だけです。ただしこの機種の冷却ファンは指の先程度の小さなファンなので、本当に冷却に役立っているのか?これで十分なのか?は疑問です。ちょっと負荷がかかるとヒューンとファンの音が高くなるので、バッテリー消費にも影響すると感じます。(性能が低い割に発熱が多いCPUだと感じます。)

OSアップデートには時間がかかったが落ち着いた

一通りLMDE6 32bitでセットアップを済ませましたが、やはり第7世代 Intel Core i5 8GBから比べるとキビキビした動作は期待できません。それなりに時間がかかったことを正直に記しておきます。でもセットアップが終わってしまうと一応実用レベルでは動作してくれます。

WebブラウザなどCPU負荷のかかる処理を行うと冷却ファンがヒューンと高い音を発するようになり、パームレストやキーボードが暖かくなってきます。このコンパクトさが最大の売りと考えるとバッテリー消費を最大限抑えてほしいところですが、これだけ温かくなるということは消費電力もそこそこあるんじゃないかと想像します。つまりバッテリーはそれほど持たない。

画面解像度が低い(狭い)

画面が小さいので一度に表示できる情報に限りがあります。このコンパクトノートで込み入った処理をするのはナンセンスだと思いますが、ワークスペーススイッチャーを活用して仮想デスクトップを活用するのが最適解だと思います。とはいうもののタスクバーも狭いので仮想デスクトップは2つだけ表示させておくことにします。邪魔なのでそれ以上は表示させたくないかな。

特に画面が小さい(解像度が低い)ディスプレイを使用している場合は、ワークスペースを活用したくなる場面が増えるので、このキーボードショートカット「CTRL+ALT+↑」は今後多用することになりそうです。

ホットコーナーを有効にしておけばマウス操作からも呼び出すこともできるのでキーボードのホームポジションから手を離したくない人以外は有効かも知れません。使いやすい方法に設定するのが理想ですね。

LMDE6がなんとか32bitを提供してくれているお陰でなんとか実用レベルで動作します。そろそろdebianも32bitを出さなくなると思いますので、流石に期限切れが見えてきたかなという印象です。

ギリギリ現行OSが使える賞味期限ギリギリさ

LMDE6 32bitでなんとか実用レベルで動いてくれることが確認できました。標準インストールでは重たい処理であるFirefoxによるWordPressサイトで記事を直接記すのも可能でした。GIMPによる画像編集も可能です。

こんなデバイスでYouTube動画をどうのこうのとか言う人もいないと思いますが、マルチメディア系はさすがに制限ありというのが実感です。動画の再生にはリソースを食らうので発熱が続いて冷却ファンが高速回転しっぱなしになります。

このコンパクトさ(窮屈さ)がCF-R8の魅力なのかも

以前の私なら、キーピッチの狭さに投げ出すレベルだったと思いますが、SZ6によりLet’s noteに慣れさせられたこともあり、CF-R8のこの窮屈なキーボードでもそれなりに使用できるから不思議なものです。慣れとは恐ろしいというか凄いものだなと実感します。

ただ、危険性もあってブラインドタッチでCF-R8をタイピングしていると、ENTERキーの位置をそれで覚えてしまい、SZ6に戻って来た時に全然違う位置をENTERキーと思っって叩いてしまいます。明らかにキーピッチが違うのでキーボードサイズを覚えてしまわない様に注意しなくてはなりません。あんまりコイツで文字入力とかはしない様にしなくては。

それよりも感心したのは、Panasonicが早くからこのタッチ感のキーボードを実用化していたという技術力です。まだいわゆるリーフ型キーにはなっていませんが、歴代Let’s noteが進化してきた過程に触れることができたような気がします。キーボードサイドのベゼルの薄さも絶妙です。よくこれだけのノートパソコンを製造出来たものです。(当時は高かっただろうな)

最後に

サクサク快適とはとても言えませんが、重い処理をさせなければVista時代のローエンドモデルが現行OSで実用レベルで動作してしまうというのも、LMDE6の貢献度の高さを実感せざるを得ません。Windowsではとてもじゃないですが現行OSは動きませんからね。

旧型機とは言え、Let’s noteの名に恥じないレベルの製品に仕上げられているのも関心しました。PanasonicにはLet’s noteブランドを今後も続けてほしいものです。そろそろWindowsモデル以外のLinux系OS搭載モデルを出すべきでは?と個人的には思いますけどね。

R8を使った後は、SZ6のキーボードがとても広く伸び伸びとタイピングできると錯覚するのでした。

但しPCの平面的なサイズはコンパクトですが厚みがボッタリとしていて、重量的にはSZ6と比べると大差がなかったりします。キーボードが狭いのでタイピングしにくい(慣れが必要)のは逃れられない事実ですし。

また時代的にPCカードスロット等の拡張性を実現しているので、小さい割にずっしりと重量が重くなったのは仕方ないです。現時点で実用前提の改造をするならPCカードスロット・パーツを取り外すなどの軽量化は有効かも知れません。

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