鉱石採取という特殊なアニメ
Amazon Prime Videoでなんとなく視聴してみたところ、かなりマニアックな内容でありながら、優れた要素がてんこ盛りのアニメ作品でした。
メインキャラクター(女子高生)がキラキラした水晶という鉱石(宝石)に興味をもち、お小遣いで買えないなら自分で山に採りに行くという行動を起こします。山で鉱物に詳しい知識を持つキャラクターと知り合って山や河川での採取にハマっていくという内容でした。
テーマが「鉱石」というかなりマニアックなジャンルのものなので、私自身全く興味を持ったことのない内容がアニメ作品という作り方のおかげでかなり楽しく視聴することができました。
このアニメ作品は、作画にもマニアックな要素が取り入れられていると感じました。他とはちょっと異質のアニメーション作りがなされていると思います。制作者の嗜好がかなり入っているのは間違いないですが、好感を持てる作品作りだと感じました。原作を読んでないのですが原作の思い入れを忠実にアニメ化しているのかも知れません。
キャラクターの脚や足の動きの描写がマニアック
脚フェチを自認する私は、冒頭から他のアニメ作品と違うと感じ取りました。キャラクターの脚がかなりリアルに描写されており、「アニメーションの動き」にかなり影響しているという点に直ぐ気づきました。脚や足の動きは人間の動作にかなり関係するので重要な要素なのですが一般的にはあまり重視されません。そういう細かい部分を作品づくりに投入した稀有な作品です。
たいていの場合、キャラクターの顔や服装には力を入れているものの、脚が棒みたいな作画をしている作品が多い中、この作品はキャラクターの全身の作画に拘っていると感じます。絵の癖はあります。エロ描写は皆無だけど性癖というか嗜好がモリモリ・・。
脚は単なる棒状態ではなく、太もも、膝、ふくらはぎ、足首、足と複雑な曲線で描くことによってリアルさが伝わってきます。人の動作には脚がかなり影響します。人間が動作するためには脚に力を入れる必要があります。そういう部分の手抜きが無いというかアニメーションに投入した「こだわり」を感じるのです。
このことはキャラクターの動きを表現するアニメーション効果にも良い影響を与えており、またこの作品中では膝から下の脚(足)の動きだけで表現している動作も多く観られます。川に裸足で入っていく水中シーンなどローアングルからの作図が多く取り入れられているのも良い意味でかなり異質です。
登場人物が少なく限られる
登場するキャラクターの数が多くないのも興味深い作品作りのしかたです。メインキャラクター、母親、同級生数名、知り合った地学や鉱物学の研究員(大学院生)、それくらいしかストーリー展開に絡んできません。余分な要素を排除した徹底ぶりは評価できます。
また、キャラクターの顔や体型の描き分けがしっかりなされているので、意識せずともキャラクター同士の絡みに違和感がありません。無駄に広げすぎてキャラクターが増えないのもしっかりした構成になっていると好感が持てます。
キャラクターが履いている靴(トレッキングブーツ等)もしっかり描き分けられていて、またサンダルを履いている場面、靴を脱いで裸足で水の中に入っていく場面など、しっかり足元を描いているのが脚フェチを自認する私には見逃せない要素だと感じました。明らかにこれは作品づくりの大きな特徴です。
原作は漫画作品だと認識していますが(まだ読んでない)、漫画ではなかなか表現出来ない動きをアニメーションという手法で描いています。その動きのリアリティがアニメーション作品の魅力(躍動感や感動など)として大きく備わっていると感じるのです。
男性キャラクターが全く登場しない
ここは絶対に無視できない点として、男性キャラクターが全く登場しません。制作者達はかなり女好きなのでしょうか。それは先述のとおりキャラクターの顔や体型の描き分けがしっかりなされていることとも共通しています。背丈の違いや体格の違いなども丁寧に描かれています。
例えば、サブキャラクターとして重要な研究生は背が高く、胸がやたらデカくグラマラスな特徴ある体格に設定されており、しっかり描かれている点は作者の嗜好(こだわり)なのでしょう。ハッキリ言って「おっぱい」、「おしり」、「ふともも」が大きすぎ。これはやりすぎかも知れないけど作者の嗜好が詰まっている部分なので譲れないのでしょうね。
メインキャラクターは女子高生の設定なので体型は強調されていませんが、若い女子高生という設定なので動きが活発で活発に動く躍動感が丁寧に描かれています。その様にしてキャラクターの個性として挙動をしっかりアニメーションで描き分けています。この動きの表現はアニメーション化の際に拘った部分じゃないかなと想像します。
鉱石採取という知らなかったジャンルの学問
鉱石を採取するために、山に登ったり、河川に入ったりという場面が描かれています。私自身は鉱石(岩石)に興味を持ったことはありませんでした。しかし理屈はある程度理解しており、地底から隆起した岩石が山となり、雨に削られ、土砂となって崩れ落ち、川流れて海まで辿るということは理解しています。しかしそれ以上のことは考えたこともありませんでした。考えもしなかったことですが、石が動くということは考えてみれば当たり前のことなのかも知れません。
論理的に推測して、仮説を立てて調査を積み上げて行くことの大切さを短いながらも上手くストーリーに当てはめています。小中学生でこういうことの大切さを学ぶのはとても有益です。なぜなら後にそれに気づかずに大人になって一生を終える人も多いからです。学校で一方的に「自由研究」などとやらせても無意味なのです。本人の気づきが最も重要なのですが学校ではその気づきに上手く誘導できる教職員は限られます。
地学を研究する研究員(大学院生)のが素人の主人公に分かりやすく教える場面はかなり有用な学習教材としても使えそうです。個人的に地学は地味なジャンルだと思っていますがそれに興味を持つ人は希少な人材とも言えます。地球の地殻変動などはとても重要な研究の一つです。そういうジャンルの調査や研究に興味をもつ次世代の若者達を育てる意味でも、このアニメ作品の価値はとても高いと感じます。
文科省などがこの作品の本質を評価して、作品づくりをバックアップしたり、教育機関に対して推奨するべきレベルの良作だと感じます。山、川、海が繋がって循環していることを子どもたちに早い内に伝えるべきです。
まずは気軽に観てほしい
マニアックなジャンルをテーマに扱っているアニメ作品ですが、個人的には学生に学習教材として視聴させることを推奨しても良いレベルの優れた作品だと評価したいです。作品中ではそういうテーマを扱うために小難しい表現や解説をしたりせず、キャラクター達を自由に動かして自然に浅い知識から学ばせる魅力をもった作品です。
実生活においても、運が良ければ宝石(鉱石)が山や川、海で拾えることもあります。普段の生活で石コロに興味を持つ人が少ないので気づいてないだけであって、日常的に小さな宝石が身の回りに転がっていることに気づかないだけなのだと改めて気付かされた次第です。
そのような石コロが希少価値を持っているかは別として、なぜこんなところに宝石があるんだろう?と考えることができる様になる良作です。興味を持ったら次のステップとして石の見分け方に進めます。興味を持った人にしか石コロの種類を見分けるなんてことは無理ですからね。
一見すると小さな石コロや岩などを題材にしているのですが、地球上の物質は途方もなく長い年月を経て「動いている」ということを教えてくれる、そんな稀有な作品だと思います。このアニメ作品はとても希少価値の高い作品だと思うのです。ぜひ一度視聴してみて欲しいです。本当に子供に観て欲しいし早く(幼少期のうちに)それを伝えるべきだと思うのです。
制作者の嗜好は含まれていますが、エロ描写は一切ないのでまあ大丈夫でしょう。子供の頃に綺麗な石コロを拾って喜んでいたことを思い出します。誰しも通った道ではないでしょうか?そこから一歩先に進む思考を育ませてくれる良作だと私は思います。






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