Microsoft Officeと同様に、LibreOfficeのCalcからWriterへ表を図として貼り付けることが可能です。形式を選択して貼り付ける際にGDIメタファイルを選択すると、拡大や印刷を行っても画像がボヤけず高品質を維持できます。
ビットマップとは異なり、GDIメタファイルはデバイスに依存しないため明確な描画が可能です。LibreOfficeは機能が拡充しており、個人用途の文書作成であれば有料のMicrosoft Officeを購入しなくても十分に活用できます。
WordにExcelの表を図として貼り付ける
先日、職場の事務職のスタッフから相談を受けました。既存のWordファイルの表にある誤字を修正したいということでした。修正すれば良いのでは?と単純に思ったのですが、そのWordファイル(.docx)をMS-Wordで開いてみると、表が画像として貼り付けられていました。
状況を説明して、元となる表を作成したExcel文書があるハズなので、そちらを探し出して修正する必要があると説明しました。それを元に表を画像として貼り付けしなおせば大丈夫だということも付け加えました。
ExcelとWordの連携では下記の手順で行えます。
- Excelで表の範囲を選択してコピー
- Wordで右クリックしてコンテキストメニューから「図として貼り付け」
- 図を右クリックしてフロートさせる(前面に配置)→自由に動かせる
これで実現しました。MS-Officeを使っているならBasicレベルのTIPSですね。
但し、Excelの場合は画像として貼り付ける場合、元々のセルの枠線も画像として持ってきてしまいます。罫線を引いてある表の部分だけ画像化するためには、いちいち枠線を消してからコピーする手間が必要です。この部分、??と思う人は無視して大丈夫です。
枠の表示(セルを表す薄い線)が邪魔だと感じた場合は下記コメント欄を参照して下さい。
Excelのツールバー「ページレイアウト」にある「罫線」ー「表示」のチェックボックスで枠線の表示・非表示を切り替えられます。めんどくさいですがExcelの場合は仕様上仕方ないみたいです。
LibreOffice CalcとWriterで同じことができるか?
私は自宅プライベート用はLinuxデスクトップOSを使用しているので、「LibreOfficeでも同様のことができるのか?」という疑問を持ちました。あんまり使いませんけどね。
実際にやってみるとExcel→Wordと同様のことが、LibreOffice Calc→Writerで実現できることを確認出来ました。
- LibreOffie Calcで表の範囲を選択してコピー
- LibreOffice Writerで右クリックしてコンテキストメニューから「形式を選択して貼り付け」−「詳細オプション」−「GDIメタファイル」
- 図を右クリックしてフロートさせる(「折り返し」−「折り返しなし」)→自由に動かせる
貼り付けする際に、GDIメタファイルにするか、ビットマップとするか等は任意で選べます。ビットマップで貼り付けると本当に画像として貼り付けされるので、拡大したり、プリントアウトすると解像度の関係でボヤけます。
ここで「GDIメタファイル」として貼り付けすれば、拡大してもボヤけません。プリントアウトしても綺麗に印刷されます。
惜しいのは、選択範囲の最上部が少し切れてしまうみたいで、罫線を引いているセルギリギリで選択すると上部の罫線が細く欠けます。対処方法としては余白をもたせるしか無さそうです。せっかくExcelより便利だと感じたのに。こういう些細なことはLibreOfficeチームに修正依頼を出したら改善して貰えそうな気がします。英文に堪能な方は開発チーム宛にリクエストしてみてはいかがでしょうか?(OSSならではのフットワークの軽さを感じられるかも知れません。)
GDIメタファイルとは
GDIメタファイルの意味するところは、Windows GDIのことを指している様です。
メタファイル は、デバイスに依存しない形式で画像を格納する構造体のコレクションです。デバイスの独立性は、メタファイルをビットマップとは別に設定する1つの機能です。ビットマップとは異なり、メタファイルはデバイスの独立性を保証します。メタファイルには欠点がありますが、通常はビットマップよりも描画速度が遅くなります。したがって、アプリケーションで高速な描画が必要で、デバイスの独立性が問題でない場合は、メタファイルではなくビットマップを使用する必要があります。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/gdi/metafiles
上記で引用したMicrosoftのドキュメント(リンク先)では、メタファイルの欠点として描画速度が遅くなることを説明していますが、実用面で言えばこちらを選択することになると思われます。画像としてプリントアウトに耐えられる解像度で貼り付けするとなるとそれなりのファイルサイズになり、結局は描画速度(メモリー消費)にも影響してきます。トレードオフなので結局はユーザーが選択するしかありません。
上記リンク先から辿るとさらに詳細なメタファイル(GDI)について説明されています。
要するにGDIを選択すれば、GDIメタファイルに図を作成するために必要な情報が全て含まれるため、拡大してもボヤけることがありませんしプリントアウトにも耐えられる品質の図が得られるという仕組みです。
大半の場合は、荒いビットマップよりも現実的に使えるGDIメタファイルを選ぶことになるでしょう。
LibreOfficeについて
その他、リンクしたり、新たに表として貼り付けたりと柔軟性が高いのはLibreOffice Writerの方だと感じました。この辺りは慣れの問題もあると思うので、MS-Officeの操作に慣れているならそれで完結する課題でしょうし、私の様にLibreOfficeの方が便利だと感じるのであればWriterの機能を活用するのが好ましいと思います。
個人的にはExcelのバージョン違いによるUIの差異にも悩まされているので(電話で伝えてもバージョンによっては同じ様に操作出来ないという)、常に最新版を無料で使えるLibreOfficeにもアドバンテージはあると思います。
LibreOfficeも着実に機能が拡充されており、今となってはMS-Officeにかなり近づいてきている気がします。もはやMS-Officeが必須と言うのは過去の資産(Excelファイル、Wordファイル)を再利用する必要性に迫られる場合に限るのでは無いでしょうか。新たに作成する文書ファイルに関してはMS-Officeが必須とも思えなくなって来ていると感じています。
Excelに関してはピポットテーブルやPower Query等の分析に便利な機能が備わっているため、LibreOffice Calcに対してかなりのアドバンテージを持っているとは思います。しかしパーソナルユースに限定した文書作成用途ではLibreOfficeもあまり見劣りしないレベルまで来ていると私は思っています。個人の趣味ごときに大枚叩いてお高いMS-Officeを買う必要は無いかなという感想です。



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