Linux万歳なタイトルですが私はBSD育ちです~元MacintoshユーザーがWindowsを使ってPC-UNIXに辿り着いた道

Linux

まだ「さくらVPS」の障害を完全復旧させることは出来ていませんが、もう全部復元しなくても良いかなと、気持ちに変化が出てきたのでどこまで元と同じ構成にするかちょっと考えています。必要なものだけ再構築すれば良いんじゃないかと思うのです。失ったものは取り返せないし。

私がさくらVPSを使うまでの経緯

どこまで遡るか困ってしまいますが、FreeBSDでPC-UNIXを覚えた私は、FreeBSDを古いノートパソコンでWebサーバーに仕立てて長年使っていました。そのノートパソコンはCPUがIntelの486DX位ののどかな時代のものでしたが、3年以上トラブル無く動いてくれました。FreeBSDは驚異的な安定性を持つサーバーOSだという事を身を持って体験した私は、UNIXにどっぷりはまっていきます。冷却ファンも無い様なレトロなノートパソコンだった事もありますが動作も静かで古き良き時代だったなと思います。

その次に使ったのがLinuxです。当時Redhat系のベンダー資格を取得する学習をしたりしたので、Redhat系の軽い奴が良いなと、Vinelinuxを使ってWindows98SE辺りが動いていたCeleronのデスクトップパソコンをWebサーバーにしました。マシンパワーに余力が出来たのでSQLサーバーとしても使い、出始めたばかりのブログシステム「MovableType」を使ってブログという仕組みを覚えました。ブログシステムの登場は画期的だったと記憶しています。

当時はブログシステムを使うには、レンタルサーバーを借りる必要があると言うのが一般的な知識でした。私は自宅サーバーをネットに公開(ルータのポートフォワードで実現)していたので、レンタルサーバーよりももっと柔軟にやりたいことを自由に出来たと思います。

丁度その頃に色々なスキルが繋がり始め、メールサーバーを自宅で持ったりしてサーバー運営へのハマり方がどっぷりとなります。多くのことを学び実践した期間でした。

デスクトップパソコンとは言えども24時間365日動かしっぱなしだったので、それなりにハードウェアには負担をかけたろうと思いますし、消費した電気代もそこそこかかったと思います。特に夏はどうしても発熱するので冷房に頼ることにもなります。

Vinelinuxは非常に良く出来たLinuxディストリビューションでした。rpm系のパッケージ管理手法が使える上に、aptコマンドが使えるという手軽さで、Redhatの煩わしさを早期に解決してくれていたので、サーバー運営としては非常に楽なOSとして役立ってくれました。

その後、私は本格的なサーバーマシンを手に入れ、仮想環境に手を出します。有り余るマシンパワーを武器にWhitebox(CentOS)やSuSeのサーバーを複数立てて複雑な構成のLinux環境へ手を出しました。しかし夏場の熱風地獄には流石にマズイと判断して、数年後にはクラウド(VPS)に手を出します。

実験的なことは一通り済ませたのでやりたい事も絞れました。コンパクトなサーバーを借りて月額1,000円なら電気代より安いわけですから。

そうしてさくらVPSやお名前.comのVPSサービスを使うようになり、より現実的なサーバー運営を行えるようになりました。実際のところ自宅でサーバーを常時稼働させるにはいろいろいな課題があると思います。お金が有り余っているならどんどんやれば良いと思いますが、そういう人は稀だと思うので現実的なところで妥協せざるをえないと思います。

私は元Macintoshユーザーで、だいたいパソコンなんていうものは何かを作る(画像とか音楽とか)ツールに過ぎないと思っていました。アプリの操作を知っていれば良い訳で、それに習熟すれば色々なものを生み出せると考えていました。コンピュータの仕組みとか知る必要も無いし興味もない人種だったのです。

それが、仕事の関係でネットワーク接続されたWindowsパソコンの保守をやらなくてはいけなくなり、ちょっと勉強の為に始めてみたら案外面白かった。それがこういう道にどっぶりハマるきっかけでした。

とにかく昔はパソコンは固まる(フリーズする)事が普通でしたので、PC-UNIXの安定性には驚愕しました。Windows Serverも安定性は高いと感じましたが、少ないリソースで安定して動き続けるPC-UNIX(FreeBSD、Linux)は素晴らしいと私の中で評価されます。

今どきのPC-UNIX

昨今は、PC-UNIXと言う言葉すら聞かなくなり、それはLinuxを指している言葉なんだろうと思う位にBSDはマイナーに成り下がってしまいましたが、それでもMacOSのベースとなったBSD系の素晴らしさは当然知る人は知っている訳です。

Linuxがデスクトップ環境として実用レベルで動き始めたのは、やはりdebianの成果が高いと思います。debianは堅実な開発を行うことで有名ですし、後にdebianをベースに派生させていったUbuntuは一気にLinux系OSのデスクトップOSとしての認知度を上げてくれたと思います。

実際、一昔前では望めなかったLinuxでのCADや、プリントアウトの難しさも現在ではほぼ解決してしまっていますし、ウチのフラットベッドスキャナーは、WindowsXP以降のWindowsには対応していない為、Linuxに接続してスキャンしています。周辺機器(ちょっと古い)への対応の良さも逆転してしまったのではないかとさえ思えます。

無料で使えるOS、多くのLinuxディストリビューションには、無料のOffice系アプリ(LibreOffice、OpenOffice)をはじめ、画像処理(GIMP、InkScape)等も最初からキッティングされています。主要な機能はほとんど最初から入っている状態ですし、昨今のWebアプリケーションの充実からWebブラウザが一番重要なアプリとなっているのも実情だと思います。

つまり、無料のOSで一通りの事ができる時代なのです。この事はOSを販売して来たMicrosoft社は早くから脅威として捉えてきたはずで、Linuxを攻撃する事を何度もやっていましたが、現在はLinuxと共存する道を選んだ様です。それ位の勢いでLinuxというOSが普及したのは、開発者の勢い、そしてユーザーの勢いが止まらなかったからだと思います。(何度もLinuxはブームがありそして廃れてを繰り返してます)

やっぱりサーバーOSとして

PC-UNIXの凄さは、私としては未だにサーバーOSとして使った時の安定性の高さだと思っています。もちろんWindows Serverもかなりの信頼性を実現しているのですが、いかんせん値段が高いのが無理です。とても個人の趣味で買える金額ではありませんし、CALまで考えると迂闊に手を出せるものじゃありません。

逆に言えば、ワザワザ高価なOSを使わなくても、無料で使いやすい(慣れたから)サーバーOSが有るんだからそれを使えばいいじゃんと言うのが私の言い分でもあります。PC-UNIXはサーバーOSとして使えば最高に輝くと思います。それは裏方に徹した使い方(構成)ができるからです。私はOSにでしゃばりな機能は要らないと言う考えが根底にあります。押さえるところはキッチリ抑え、そっけないところはそれで良い。サーバーOSは簡潔で渋いソフトウェアであって欲しいのです。

デスクトップOSとして

これからの時代は、PC-UNIXにデスクトップOSとしても頑張って欲しいと心から思っています。Microsoft社のWindowsは優等生とは言えないものの、時代をになって良くやってくれたと思います。Microsoftという会社はどこか頼りない製品を作るのですが私は企業の体質としては好きです。

しかし、Windows 8やらWindows 10やら、どうでも良い機能を実装してそれをひけらかすのは、もはや時代では無いと思っています。OSは出しゃばらず、裏方に徹してアプリケーションが安定して動くベースに徹するべきなのです。そしてアプリで担えない部分をさり気なくフォローするのがOSの気配りだと思います。

そういうデスクトップOSを常に求めていますが、現時点はまだ自分でそういう環境を作れる(カスタマイズできる)スキルが必要です。世の中の価値観が変わらないと私の臨むOSは出てこないかも知れませんが、PC-UNIXにそれを期待するしか無いのかなと思っています。そしてそれは実現されるのでは無いかなと思うのです。

debianの堅実さと合理的でセンスの良い実装(割り切りも)が本当に好きです。

この本は私も持っていますがよくまとまっているのでオススメです。

Debian GNU/Linux徹底入門第3版 Sarge対応

Debian GNU/Linux徹底入門第3版 Sarge対応

武藤 健志
Amazonの情報を掲載しています

コメント

タイトルとURLをコピーしました