Linux MintでJw_cadを使用する〜Wine上で動作し印刷はCUPS経由PDFに出力で快適に使える

Linux

前職で図面を作成するのにJw_cadをガシガシ使用していました。約5年そういう仕事をしていたのでJw_cadの基本操作と、よく行う作業は無意識に出来るようになっていました。なんせ嫌になるほど図面の修正とか作成とかしてましたからね。

Jw_cadを使用していたのはWindows環境でした。役所に常駐させられて役所が民間に発注する発注資料(図面や書類)の作成や、提出物のチェックが主な仕事だったので、本当に嫌になるほど書類を作りました。この仕事を任された時、初めはJw_cadも使ったことが無かったけど覚えて一通りの業務が出来るようには慣れました。

正直言って全然やりたくない仕事だったし、畑違いの仕事だったのですが、会社から「半年だけ行ってくれ」と言われて渋々単身赴任状態で行ったところ、半年経った時点で「もう1年だけ我慢してくれ」という感じでズルズルと5年続けさせられました。

その会社は約束を守らないので嫌になって辞めて、転職して今の職場で仕事をしています。

あの仕事は年度いっぱい最終日まで真面目に勤めて、年度代わりでスッパリと辞めました。引き止められましたけどまた調子の良いことを言って利用されると思ったので問答無用で辞めてやりました。

有給休暇が40日残ってましたけど辞めることが先決だったので有給も捨てました。かなりストレスだったので体調もよくありませんでしたし。それで今の仕事をしてます。

後から考えたら40日分しっかり給料を貰って休めば良かったと思います。40日と言えば二ヶ月分ですもんね。あの時はもう関わりたくないという気持ちが強かったけど損したなぁ。

Jw_cadはWindows環境で使えるフリーのCAD

Jw_cadについては過去の記事で記していますが、国産のフリーで使用できる汎用CADです。職場では土木用CADのライセンスもあったのですが、もっぱらJw_cadで図面を作ってました。まあベテランな人はJw_cadでここまで描けるのか!と感心するほどの図面を作ってましたね。少しずつ技を覚えて私も描ける様になりました。

それは結構な負担がかかってました。何しろ操作系がちょっと特殊ですからねJw_cadは。慣れるとこれが結構しっくり来て、AutoCADよりも描きやすいと感じる状態になっていました。最初は縮尺の概念の違いに戸惑いましたけど理屈で考えたらそうむずかしい話でもありませんでした。

間違いなくJw_cadは日本国内におけるCADユーザーを増やした実績ありです。完全無料で仕事にも使用できるCADでここまでの完成度を実現しているCADは無いでしょう。覚える価値ありですよ!

Jw_cadを全然使わなくなっていた

今の仕事をする様になってから、実はJw_cadは全然使わなくなりました。最初はCADで描いた方が便利だと思う資料も、同僚がCADを使えないのでCADで作成されると後々困ると言われて自粛しました。手っ取り早くCADで描けば実寸(縮尺)で描けるのに・・と思ったり。

結局、マンガ絵程度で事足りるので、Excelで作ったり、PowerPointで残したりという感じでCADスキルは全然活用せずに現在に至っております。まあ勿体ないと言えば勿体ないですね。業務レベルでJw_cadを使ってきた訳ですから。そのスキルで年間数千万以上を会社に実入りさせていたハズです。私が得られる給料は微々たるもんでしたけどね。

そんなこんなでJw_cadを使わなくなって3年以上経ちました。最近はWindowsパソコンも自宅ではほぼ使うことがありませんし、すっかりJw_cadの事を忘れていました。最近はLinux Mint Debian Edition6を愛用しています。

今回、Linux MintでJw_cadを試してみて、すっかりJwの操作を忘れてしまっていることに驚愕しました。全然思い出せない・・・(マウスからトラックボールに変えたせいもあるかな)

Linux MintにWineを入れてWindowsアプリを動かす

別記事で記した記憶がありますが、LinuxにWineをインストールするとWindowsアプリがWine上で動作する様になります。ただランタイムやらを要求するWindowsアプリの場合は再現性は微妙らしいです。

私の場合は、画像をドラッグ&ドロップでリサイズする「縮小専用」を動かしたり、awkを使いやすくする「おーくの友だち」を使ったりするのにWine上で動作させています。やはりWindowsアプリは古くから良いものが開発されてきた歴史があるので、良いものが残っていたりします。堅実に作られているアプリはまだ問題なく使えたりするので驚いてしまいます。まあWineが古いWindowsアプリの方を得意としているので、最近のWindowsアプリをWine上で動かすのは難しいとは思いますが。

Jw_cadがWine上で動いた

先日、ふとJw_cadを思い出して、Wine上で動くんじゃね?と思い立ちました。公式サイトを訪れてVer.8.25aをダウンロードして来て、インストーラを実行したらWine環境にインストールされました。そして問題なく起動しました。

但し、画面が黒くなったり白くなったりして不安定です。Direct2DがWine環境では活用出来ないと思われるので、Direct2Dを無効にしました。私が仕事抜きでゼロから描画する図面であれば、Direct2Dの恩恵なしでも十分事足りると思います。

昔の記事に記しましたがDirect2DはDirectXの機能を利用するモードで、DirectXに対応しているグラボ(Nvidia GeForceなど)を使用している場合は描画がとても高速に実現します。良く言われる「CADにはQuadro」という部分ですが、QuadroはOpenGL特化なので残念ながらJw_cadでは本領発揮出来ません。お高いQuadroを買っても持ち腐れ状態になりかねません。JwがサポートしているDirect2Dを活かすには、DirectXに特化したGeForce系になると思います。まぁこの辺りは納得行くように各自が選ぶことになると思いますが。

土木図面でDirect2Dによるゴリゴリ処理させていた

以前の仕事では、土木系のCADデータを受け取ってJw_cadで開くことがありましたが、CADデータで200〜300MBという異常なデータサイズだったりして、Direct2Dの恩恵なしには開くこともままなりませんでした。

細切れになった線を連結させたり、重複線を削除したりというメンテナンスをJw_cadで行うのが前処理として必須だったのですが、CADデータを開けないと仕事にならなかったのです。それを補えるグラボが載ったPCであれば、Direct2Dで比較的短時間で整理することが出来たのです。

そんなデカイCADデータは、Direct2Dが有効に使えないPCでは、数時間かかって開いても、操作をする度にリドローがかかってまた数時間待たされるという状態で仕事になりませんでした。以前の仕事ではDirectX対応のグラボが必須でした。

Jw_cadからプリントアウト

Linux Mint上のWine上で動作するJw_cadでもプリントアウトが可能です。まずLinux環境のCUPSでプリンターの準備が出来ている必要があります。

私はコスパを考慮して自宅ではプリンターを持たない事にしているので、PDFに出力してUSBメモリーで持っていってコンビニで印刷することにしています。Debianの場合は「cups-pdf」というパッケージをインストールすると印刷時にPDFとして出力することが出来るようになります。

CUPSの状態は、Webブラウザーで下記のように631ポートにアクセスすると操作できます。

http://localhost:631Code language: JavaScript (javascript)

CUPSがインストールされると、Wine上のJw_cadからの印刷も可能になります。

もし、Jw_cadで印刷する際にプリンターが見つからない旨表示される様であれば、CUPSで正しくプリンターが準備されているか確認すると良いでしょう。

WineからLinuxのプリンターを使用出来るという、この辺りの仕上がりもWineは素晴らしいなと思う次第です。

Wine上ではDirect2Dでゴリゴリと2D CADとしての性能を発揮することは難しいと思いますが、Direct2Dを無効にすれば普通に使用できるので、軽いOS環境も相まってそれなりのCPUを実装していれば実用範囲でLinux環境でも(Wineを使って)Jw_cadを利用できるということを確認しました。

またしばらくJw_cadと格闘して、昔取った杵柄じゃないですが、仕事として操作を身に着けていたのを思い出そうと思います。右クリックでクロックメニューを出して選択とか基礎的な操作はまだ身体が覚えてました。これから積極的にJw_cadを使って気の利いた図面を作図出力して活用しようと思っています。

そう言えば随分前に私は、「Linuxに完全移行出来ない理由としてAutoCADが使えない」ということを嘆いた記事を書いたことがあります。その時の解決策がダッソーのDraftSightでした。当時はDraftSightを無料で使えたんですよね。今は有料になっていると思います。

確実なJw_cadをWine上で動かせるという事がはっきりしたので、この路線でCADを活用して行こうと思います。CADに慣れるとドロー系のお絵描きすらも手間に感じる位になりますからね。それ位のレベルには操作スキルを戻さなくてはと感じています。身体で覚えたハズなのに3年ですっかり忘れてしまっている辺り、歳のせいもあるのかなぁと少し落ち込んでしまいます。

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