古いスキャナーがWindows10(64bit)で使えない場合の応急処置~USB起動のUbuntu Liveでスキャン出来た

古いスキャナーがWindows10(64bit)で使えない場合の応急処置~USB起動のUbuntu Liveでスキャン出来た

先日、高知新聞の夕刊に「街のたばこ屋さんは今」という記事が掲載されたので、それをブログのネタとして取り上げようと思っています。

とりあえず新聞の一面をA4フラットベッドスキャナーで分割して一面分取り込んで、Gimpで合成して一枚画像にしてしまおうと思ったのですが、思わぬ壁が立ちはだかっていました。

今、我が家にあるPCはWindows 7(64bit)と、Windows 10(64bit)のパソコンしか置いてなく、仕事先の宿舎にUbuntuをインストールしてあるノートパソコンを持っていったまま持ち帰ってません。これが大失態です。

所有しているフラットベッドスキャナーは、Canon Canoscan N676Uという古い機種なのですが、はっきり言ってスキャナーってそんなに使ってもないし、投資した金額の元を取れているか?となると怪しい位に稼働率の低いデバイスであります。でも無いと困ることがありますので自宅に置いてたまに使います。

そんなCanoscan N676UもWindows2000やXP時代のものですから、すでにサポートも切れており、デバイスドライバもメーカーから当時リリースされたVista(32bit版) 以降はドライバが出ていません。つまり64bit版 Windowsでは対応ドライバが配布されていないため絶望的に使用出来ません。

Windows 10で動作しているPCにUSBケーブルで接続すると「新しいデバイス」として検出はされますが「適切なドライバが見つからない」と冷たく拒否られますし、当然Windows版GimpのTwainデバイスリストにも現れません。

もはや64bit版WindowsではCanoscan N676Uを使うのは無理そうです。ドライバを自分で作るとかすれば話は別なんでしょうけど。有償のVueScanを購入するという手もありますね。

Windows10でスキャナーが使えないなら・・Ubuntuに頼る

レガシーデバイスのサポートは、もはやLinuxの方が継続的に維持されているというのが私の個人的な認識です。Ubuntuはその辺りが非常に便利に出来ているので、今回、Live USB BootのUbuntuで対応することにしました。

幸い日頃持ち歩いているバッグの中に、UbuntuのLiveインストーラーを入れたUSBメモリーが入ってます。自宅へ帰ってくる時もそのバッグを持っているので持って帰って来てました。ライブCD/DVDをいちいち作るのとか面倒なので助かりました。

USBブートが可能なPCと、Ubuntu Live USBMEMを準備します。

ノートPCにUSBメモリを挿し込んで起動をUSBメモリーからに指定します。

USBメモリーからの起動方法はパソコンのメーカーによって様々なので、その方法については必要に応じて調べる必要があります。電源投入直後のPC画面を注意して見ているとどこかに表示される瞬間(1~2秒くらい)があるかも知れませんが機種によって違います。

経験上、F8、F11、F12、F1、F2キー辺りをPCの電源ON直後から連打していれば、OSをどこから起動するか選択画面が表示されることが多い様です。

動作が遅いですがUbuntu Live版が無事に起動しました。

さて、ライブUbuntuを起動したらアプリの検索から「Scan」と入力するとUbuntuの標準スキャナーアプリ(シンプルスキャナ)が起動します。これで原稿をセットしてスキャンするだけです。Windows 10では使用できない古いスキャナーでも、UbuntuにインスタントされているSANEでは【Canoscan N676U】を使用できました。

Ubuntuにインストールされているスキャナーアプリ(SANE)を起動し、ざっくりと全体のキャプチャを撮っておいて、後でGimpを使って合成処理をします。よってSANE上のスキャニング処理は事務的に手っ取り早く済ませます。

Ubuntuでの保存場所はとりあえず「ピクチャ」フォルダに

Live版のUbuntuは起動中だけ有効な仮想ストレージ領域がメモリー上に生成されるので、一時的に「ピクチャ」フォルダにpng形式で保存しておきます(当然電源を切れば消えます)。

このノートPCにはWi-Fiが備わっているのでUbuntuからWi-Fiでネット接続してクラウドストレージに転送することにしました。他の方法としてWebメール等で添付して自分宛に送っても良いでしょうし、別のUSBメモリーを差し込んでそこに保存しても良いでしょう。UbuntuにはWebブラウザが入っているのでネット接続出来ない場合は別のUSBメモリーを差し込んでそれに保存するのが手軽かも知れません。

ちなみにファイル形式はjpeg、pdfでも保存出来る様です。私はGIMPを使って合成したいのでこの段階での画質劣化はなるだけ避けるべくPNGを使います。JPEGよりファイルサイズは大きくなるのは覚悟の上です。

クラウドストレージは、今回はMicrosoft社のOneDriveを使用しました。Webブラウザからアクセスしてファイル転送するだけです。後からWindowsでOneDriveに取りに行けば済むことです。

Ubuntuで行う作業は

  1. フラットベッドスキャナでスキャンする
  2. Wi-Fi接続する(出来ない場合は別のUSBメモリーに保存するなど他の方法を考える)
  3. Webブラウザーでクラウドストレージに接続してスキャン画像を保存する

たったこれだけのことですが重要な作業です。なにしろスキャンした画像(ファイル)を何かしらの方法でPCから取り出せないと先に進めません。

現行のWindows 10パソコンでは出来ないこと(古いデバイスは動きません)をこんな小さなUSBメモリー1個が実現してくれます。ええ、本当に助かりますよ。Ubuntuは無料で使用できる上にとても優れたOSです。SANEを最初から使えるようにキッティングしてくれている辺りにセンスを感じます。

世の中、新しい製品は便利だと錯覚させられてるだけで、実は理不尽なことを強いられていることが少なくありません。少なくとも私は最新のPC(OS)が一番良いなんて評価はしていません。用途に応じて使いやすい(使い慣れた)ものが一番です。ユーザーの事を考えて作られているOSが一番優れていると思います。そして自分に合うものが最適解です。

既に所有しているデバイス(この場合はスキャナー)がメーカーの都合で使えなくなるなんて無駄でしかありませんからね。壊れたとか機能的に足りないとか言う理由なら買い替えも納得しますが・・。今回は自分の知識と技術で納得行く様にカバーします。

自宅にはWi-Fi環境があるので、Ubuntuがネット接続できるようにWi-Fi設定をして、Webブラウザを起動してOneDriveにアクセスし、スキャンした画像ファイルを転送しました。

これでUbuntuを起動したUSBメモリーは役目終了です。Ubuntuをシャットダウンして終了します。

注意点を記しておく(クラウドに転送した理由)

今回、OneDriveに転送した理由はもう一つあります。ノートPC本体内にはWindows用のHDDが入っており、UbuntuからこのHDDに書き込みする事も実は可能です。

しかしそれは既存のWindows環境を壊してしまうリスクを伴いますし、トラブルに遭わないことを誰も保証してくれません。万一トラブルになった場合は泣くしかありません。運が悪いとWindowsが起動しなくなる可能性があるのです。

よって、私はUbuntuでスキャンした画像をクラウドストレージに転送しておいてUbuntuの使用を終了し、Windowsを起動してからクラウドストレージに取りに行く事をお勧めします。別のUSBメモリーを持っているならそれを追加で差し込んで保存先を慎重に選んで保存しましょう。

画像編集は腰を据えてじっくりと

USBブートしたUbuntu Live環境での画像編集は流石に動作も遅く効率が悪すぎるので、シャットダウン後、Ubuntu USBメモリーを取り外して再起動し、かみさんが普段使っているWindows10にOSを切り替える事にします。

Windows10が起動したらWebブラウザでOneDriveにファイルを取りに行きダウンロードして来ます。そしてWindows上で画像編集を行います。Ubuntuには最初からGIMPがインストールされていますが、WindowsでもGimpをインストールすれば使用できるのでOSの違いは全く問題ありません。

Linux/Windows/MacOSで使用できる「Gimp」は本当に便利な画像編集ソフトだと思います。プライベートで画像編集をする機会があるならPhotoshopよりも断然身につけて置きたいスキルですね。いざという時に役立ちます。

OneDriveに転送出来たか?手っ取り早くスマートフォンで確認

せっかくスキャンした画像をうまく転送出来てないのにUbuntuを終了してしまうとまたやり直しになります。これは二度手間なので、スマートフォン(Android)でOneDriveにアップロードしたスキャン画像を確認しました。

無事にスマートフォンで開くことができることを確認できれば転送も成功しているということです。いちいち手間と感じるかも知れませんが、一手間加えると、またUbuntuを起動し直す時間のロスを最小限に留められると思います。

後はGimpさえあればどのプラットフォームででも作業ができるので、ネット接続できるPCで画像をダウンロードして画像合成とレタッチの作業を行う本番と言う流れです。

ここからは使い慣れたPC環境で作業するのが一番合理的ですね。

最後にまとめ

ちょっとの知識と手間をかければ、レガシーデバイス(今回使った古いフラットベッドスキャナー)もまだ活躍させられるという事を実証しました。買った当時決して安くはなかったスキャナーですし、そんなに使い込む機会もありませんでしたから壊れるまで使いたいものです。今の時代でも画質(解像度)的にも必要にして十分ですからね。

Linuxは本当に素晴らしいOSSだと思います。そしてもちろんアプリもユーザーニーズを掴んでいて素晴らしいです。Microsoft社はデバイスメーカーとの「しがらみ」もあるとは思いますが、ユーザー目線で考えれば、消費者に次々買い替えを強いるのはどうかなと思います。使えなくさせるのではなく、買い替えたいと思わせる製品を新たに開発するのがメーカーの努力じゃないのか?と思うのです。

しかも、世界的シェアを持っているOSメーカーが、レガシーデバイスを切り捨ててデバイスメーカーの強制的な買い替えさせる戦略に加担するというのはどうなんだ?と疑問です。OSの構造変更は仕方ないと思いますがレガシィデバイスを切り捨てるOS構造はダサ過ぎます。OSSはその辺りをユーザー視点で捉えているので親近感を感じます。

マイクロソフト、そしてデバイスメーカーは、ユーザー視点からすると不親切極まりないと訴えておきます。そういう部分、私はMicrosoft社を評価していません。そういうビジネスモデルはもう通用しない時代になったと思っています。

しかしそういう事を知らない人が世の中には大半を占めているので、こうして他の選択肢(リナックス等の無料で使えるOS)があるのだと言うことを、草の根活動的にも発信しています。無料だから劣るし有料だから優れているということは決して無いのです。結局は用途次第だと私は確信しています。

Ubuntuをはじめとした、Linux(OSS)には頑張って欲しいし、ユーザーはこういう便利さ(不便さも勿論あるけど)を選ぶ選択肢があることをここに記しておきます。もっともっとLinuxを活用して普及させましょう。優れたOSSは沢山有ります。Windowsのシェアが大きすぎるのは独占的で良くない状態だと思います。

追記:OneDriveから画像をダウンロードしてGimpを使って画像合成しました

どうしてもWindows上でスキャニングを済ませたいという場合は、VMWareやVirtualBox等の仮想化アプリをインストールして、Windows XP+スキャナードライバ等をローカル限定で使える様にしておけばそこからレガシーデバイスを使えます。私はVM環境を入れたくないのでLinuxを使っちゃいますけどね。もちろんVM環境にUbuntuをインストールしてもOKです。

2020/06/21追記

文字で入力した文章をナレーション(読み上げ)してくれるソフトを購入したので、操作画面をキャプチャしてナレーションを付けてYouTubeにアップしてみました。debian Liveを使ってSANEでスキャニングしていますが、Ubuntuにもスキャニングアプリ(xsane)が入っているので同様に出来ると思います。参考にして下さい。

他にもVueScanを使うと言う手もあります。英語が無性に苦手な人には勧められませんが手持ちのスキャナーが使える可能性があります。VueScanによるフィルムスキャナーの制御(色補正)には定評があります。

USBブート可能なLinux環境を持っていると便利です。唯一の弱点は起動が遅いことです。なるだけ高速なUSBデバイスを選択する事がより快適に使える方法です。個人的にはSanDiskのExtremeProが読み書きともに高速なのでオススメです。私自身も愛用しています。

複数枚の原稿を読ませるならシートフィーダー付きだと便利ですよね。

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