家庭用電力メーターを入手
コンセントに割り込み型のワットメーター(消費電力計)を入手したので使ってみました。
家電の消費電力(ワット数)は一般の人も購入時に意識していると思いますが、実際にどれだけの時間、その家電で電力を消費しているかは積算してみないと分かりません。
電気代の算出について
電気代の計算方法は意外と知られてない様なので簡単に記して置きますが、一定時間に使用した電力量のトータル(累積値)となります。この一定時間というのがポイントで、一般家庭に供給される電力会社の場合は、kWhで表すので、1時間(60分)に使用した消費電力のトータルで計算されます。
昔は戸建て建造物の電気の引き込み部分に、回転する円盤とメーターが付いた電力メーターが備えられていて、電力会社の人が毎月検針に来ていました。単純にこの円盤が回転すればするほど累積値が増えて電気代が高くなる仕組みです。
最近ではメーターも電子化され、通信回線を使ってセンターに収集されるスマートメーターが増えたので、電気代の算出がイメージしづらいかも知れません。やってることは同じなんですけどね。
ラトックシステム:REX-eco(REX-BTWATTCH1)
REX-ecoには一般家庭用のワットメーターから、企業向けのより多くの電気製品を計測するアイテムが選べます。もちろん我が家の場合は一般家庭用のお手軽品をチョイスです。それでも100V/15A、1500Wまでの消費電力の家電が計測出来るので十分でしょう。電力を大食いするドライヤーや、電子レンジもこの数値以下なら計測可能です。
なお、ソーラー発電を装備した家屋や、エコ意識が強くて家中まるごとの電気使用状況をしっかり把握したいという場合は、Panasonicや、河村電器のHEMS対応ソリューションが役立つと思います。CTを分電盤(配電盤)に噛ませれば、トータルの電力の計測が可能です。
箱を開封してみると、コンセントタップ方式の本体が一つ、説明書、保証書が入っていました。シンプルな内容で分かりやすいです。
この機種は、データを表示する部分が本体にはなく、データをBluetoothで収集する為に、スマートフォン(iPhone/Android)かPC(Windows)が必要となります。いずれもアプリをインターネット接続してダウンロード可能です。
小電力な機器を計測してみた
手始めに消費電力が少なくて、24時間常時電源を入れっぱなしの機器をチェックしてみました。常時電源を入れっぱなしの機器を計測すればこの機器の安定性が確認出来ます。
我が家の場合は、Wi-Fi無線ルーターを計測してみる事にしました。
写真から直ぐにわかると思いますが、差し込めるコンセントは一つです。もちろんテーブルタップや、いわゆるタコ足用のソケットを併用すれば複数機器を(まとめて)消費電力を計測することも出来ます。
テストなのであえてWi-Fi無線ルーター(WN-G300R3)のみを計測することにしました。
WN-G300R3の消費電力は3.9Wと公表されています。実際にどれくらい消費するかを継続的にモニタリングしながら積算値で計測し算出出来るのが、ワットメーター(累積機能付)の強みです。
計測データはスマートフォンかPCでモニタリング
スマートフォン用にメーカーが配布しているアプリ(無料)をダウンロードしてインストールしました。今時のスマートフォンにはほぼBluetoothが装備されているので、PCよりも確実でお手軽にモニタリングが可能です。
PC版のアプリも配布されているので、PCしか持っていない人はBlutooth対応機種であれば簡単にモニタリングできるでしょう。くれぐれもBluetooth対応機種であることを確認忘れずに。
総合的な概要情報
接続するとグローバル情報が表示されます。計測の開始・停止はこの画面から操作します。もちろんずっと計測させっぱなしです。
消費電力が1.61Wと表示されており、仕様に記載されている3.9Wよりも少ない状態だと分かります。Wi-Fi通信を頻繁に行ったり、接続する有線LAN端末を増やすと消費電力も増えるのだと思います。我が家の場合は全て無線LANにしているのでLANケーブル(Ethernet)はWANポートにしか接続していません。
リアルタイム
約1秒毎の状態を表示してくれる画面です。この情報はBluetoothで絶えず送られてくる情報を表示しているので、短期的な状態を確認するのに向いていると思います。電圧、電流、一時間の消費電力量(Wh)、計測経過時間も表示されます。
今回は11日間データを取得しっぱなしにしておいたでの、十分にこのWi-Fi無線ルーターのデータは採れたと思います。
1時間グラフ(消費電力)
私の感覚的には「分毎グラフ」なのですが、このアプリを作った人の感覚ではこの画面に表示されている情報が1時間のデータなので、「1時間グラフ」と名付けている様です。
モードを「累積モード」にしているので、右肩上がりにグラフが増えていると思います。つまり時間が経つほど消費電力量(累積値)が増えるというグラフです。時間毎モードにすれば、通常のフラットに近いグラフを表示することも出来ます。ここが累積(積算)型ワットメータの最大のメリットです。
1時間グラフ(電気料金)
電気代がどれくらいかかるのかも簡単にチェックできます。電気料金の累積で見ると60分で約4銭だと分かります。単純に24時間だと24✕4=96銭と計算出来るので、実際の消費電力が1.5Wなら、一日(24時間)で約1円が電気代としてかかることが分かります。
1日グラフ
私の感覚では「時間毎グラフ」として欲しいのですが読み替えるしかありません。
計測は1秒毎に行っている様なので、それを1分に累積して、更に60分に累積したデータがこのグラフのデータになっているハズです。時間帯によってはグラフが伸びているので、そのタイミングで家族がWi-Fi接続、インターネット通信を行っているものと推測出来ます。ネットワーク接続して利用している時には、電波も飛ばす必要があるので消費電力が増えます。
1ヶ月グラフ
やっぱり感覚的に「日毎グラフ」にして欲しいと思うのですが、視点が違うので仕方ないですね。
計測を開始して11日程度しか経っていないので、1ヶ月分のデータがまだ収集されていません。長期的に考えるとこのグラフは、日毎の変動を視覚的に把握出来るので、曜日によって変動があるとか、月末になると増えるとか、そういう傾向を掴み取ることが出来ると思います。
電気料金モード+累積モードに切り替えると、一ヶ月のこの機器の電気代が算出出来ます。日常的に使うモードでは無いですが、居候に電気代を請求する為に使うモードとか、アイディアによっては面白いかも知れませんね。
これから先の予定
春と秋は気候が良くなるので、エアコンを始めとした冷暖房機器を使わなくても快適に過ごせて、電気代も抑えられます。しかしこれからは梅雨を迎えますし、初夏になればエアコンの稼働率はグンと上がるでしょう。
毎年の事ですが暑い&寒い季節に怖いのは電気代の請求です。真夏と真冬はエアコンが無くては苦痛に耐えるだけになるので、どうしてもエアコンに頼ることになり光熱費の内の電気代は無視できません。
REX-ecoの計測データは、CSV形式でダウンロード(保存)出来るので、収集してある程度蓄積したら、Excel等を使ってより詳細な解析、グラフ表示も可能です。レポート作成のデータ収集ツールとしても使えそうですね。
テーマによっては、学生さんの論文の素材としても使えそうな気がします。
家庭内の電力計測の理想形としては、CTタイプの電力計を大元の引き込み電線に噛ませてトータルの消費電力を計測しつつ、エアコンの消費電力をREX-ecoで計測すれば、どれくらいの比率で冷暖房が占めているかが把握できてベストだと思っています。
CTタイプの計測器が欲しいです。以前バイトしていた電気施工会社にはCTタイプの電力計があったので便利さを知っていたりします。しかしCTタイプの本格的なのはマジ高価なんですよね。
センサー類と手持ちのラズパイ(タイプBを二台持ってる)で計測環境を作ろうかな?計測したデータはオリジナルの計算(積算)による加工や分析はプログラミング次第で無限大だし。
お手軽電力計の用途
REX-ecoはパーソナルユースのワットメーターですが、累計機能がついており、電力単価の設定も行えるので、より現実に近い電気代の算出が可能となります。必要に応じて買い足せば、4台までアプリに登録してモニタリング可能な仕様となっています。複数の家電製品を同じタイミング(期間)でチェックしたいなど、そういうニーズにも応えてくれます。
もっとも電気代(光熱費)なんて気にしないという、高収入で太っ腹な家庭ではこういうものは不要かも知れませんし、そういうご家庭には消費電力が「見える化」された電気設備が備わっているでしょうし、ソーラー発電や蓄電池なども備わっているかも知れませんね。自動車も充電式のハイブリッドとか。
繰り返しになりますが、私は過去に電気施工会社で電力計測(見える化)の仕事をしていたこともあり、こういう視点での省エネ(節約)は意識として自然と持ってしまいます。思考として習慣になっている感じです。
一般家庭ではあまり気にされない様ですが、電力を多く消費する工場や生産ラインを持っている企業さんにとっては、一定以下の電力値に制限したいという「デマンド値」「ピークカット」も意識する事がコスト面で必要になるので、担当者さんは、そういう意識を持つ手始めにでも、家庭で計測をしてみると身近に感じられ分かりやすいと思います。
省エネにかぎらず、電気工事士の資格を取得しようとしている人、資格を取得した人にもこういう視点で電気を使うという事、そうして計算された使用電力に対して課金される仕組みは意識して欲しいと思います。
電力計のバリエーション
いやぁ、リサーチしてみるとコンセントに差し込むだけのお手軽なワットメーターの種類、各社から沢山ありますね。
しかし私が敢えてオススメしたいのは、「Raspberry Pi」とセンサー類を組み合わせてオリジナルな柔軟さを持たせた計測システムを作る事です。ラズパイは一昔前では信じられない位安価に開発環境を整えられるので、特に電気や電子を学んでいる学生には超オススメです。専門に特化するのも一案ですが今の時代はバランス感覚が重要ですから、吸収力が高い内に学んで欲しいですね。
電子・電気回路だけでなく、プログラミングも目的意識を持って取り組めるので、トータルでシステムを組み上げる楽しさ、そしてスキルアップが実現出来ます。電気、電子、プログラミングのスキルはこれから先の世代は今まで以上に間違いなく使えるスキルです。ブラックボックス化で中身まで解る人材の不足が危ぶまれていますから尚更でしょう。
ラズパイを始め各種センサー類は、RSコンポーネンツでまとめ買いすると送料も節約出来てオススメです。地方住まいだと秋葉原とか気軽に買い集めに行けませんから通販は有り難いですね。既製品の良さもありますが自分で考えて工夫して組み上げるツールに勝るものは無いと思ってます。
最後に
しかしホントに便利な時代になりました。流通がよくなって通販が当たり前になった今では、地方格差もかなり埋められたと思います。田舎に住んでいても、ほとんど手に入らないものは無いですからね。
私が電子工作を始めた頃は遠距離電話で問い合わせ、現金書留で代金と注文リストを送って、電子部品が届くまで二週間待ちでした。注文漏れで再注文とかのミスをしてしまうと部品が揃うまでに一ヶ月なんて当たり前・・今思えばのどかな時代だったなと。
よって地方住まいでも、学習しようという意欲のある人にハンディは昔ほど無いと思われます。週末に買いに行こうと思うよりも通販で注文しておいたら週末には届いていて買い物に使う時間をそのまま作業に当てられます。特に若い人にはこの手のテクノロジーを身につける機会を増やし、どんどん優秀な技術者が育って欲しいと願っています。
まずはハードルが低いところから興味を持って、知識がある程度到達したらワンランク高いハードル(自作系)にチャレンジする等、徐々に高い目標を掲げて学習して欲しいものです。そういう人がきっと将来のエンジニアに育つと自分の経験から確信しています。
ラトックは、おそらくそうニーズがそう多くはないであろうニッチな用途の不便解消アイディアを比較的安価に製品化してくれているので便利なメーカーです。
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