長年パソコン用デスクトップOSのシェアはWindowsが独占し続けて来た訳ですが、それ以外のOSがデスクトップOSとして使えるレベルの安定性(信頼性)を実現する様になったので、もはやWindowsに縛られる理由も少なくなってきたと思います。
個人的にAutoCADを使い慣れて来たので、なかなかWindows環境からLinux環境に移行することができなかったのですが、DraftSightをはじめ個人でも利用できるCADアプリが増えているので、Windowsアプリに縛られずPCの用途が限定されるならWindows環境を捨て去ることも現実的に可能となった来ました。非常に喜ばしいです。
Windowsに縛られないのであれば、もっと自由にアプリを選定することが出来ます。昔とはかなり事情が変わってきているので、例えばLinuxで動くアプリが少ないという状況では無くなって来ています。オープンソースで無料で使用できるCADソフトも選択肢があるのです。
Windows環境であればJw_cadがオススメ
Jw_cad
圧倒的なシェアでWindowsパソコンにインストールされているのがJw_cadだと思います。フリーのCADは、以前Jw_cadとDraftSightを紹介しましたが、Jw_cadはWindows専用です。おそらくこの先も他のOSに対応することは無いでしょう。
Jw_cadのファイル形式はJw独自です。また操作性もJw独自の要素が強いので慣れが必要ですが、その完成度の高さや改良に次ぐ改良で使い慣れた人にとっては無くては困る日本国内産の汎用CADアプリになっていると思います。
日本国内でPCが普及し始めた頃からフリーの2D CADソフトとして確固たる地位を築き上げ、2D CADを一般化させた立役者とも言えるでしょう。jw_cadが無かったらおそらく日本国内でCADの普及はかなり遅れていたと思われます。現在も堅実にバージョンアップが行われており現行CADとして使用できます。
私も現在の職場ではJw形式の過去資産が多いので、メインでJw_cadを使っています。数MB程度の容量の図面(使われている線の数が万単位)なら余裕で動いてくれます。複雑な図面であれば描画にDirect 2Dを使えるVer.8系がおすすめですね。
Windows/Linuxならマルチプラットフォーム対応を
DraftSight
DraftSightはCADメーカーとして有名なダッソーの2D版で無料で利用する事が出来ます(メールアドレス登録必要)。DraftSightが凄いところはAutoDesk社のAutoCAD LT互換と読んでも良いんじゃないかと言う位に操作性が似ているところです。またファイル形式.dwgをサポートしているので、やはり互換CADというイメージが強くなります。
加えて、Windows/MacOSX/Linuxで動作するのでLinuxでもAutoCADの図面を編集出来ると喜んだ時期があります。何しろ慣れたAutoCAD LTとほぼ同じ操作が出来るので慣れるまでの時間がほとんど不要です。
あんまり複雑なCAD図面を描かないなら
LibreCAD
最近、LibreCADというオープンソースのCADアプリを知りました。Linux上で動かしている様子です。適当にdxfファイルをダウンロードして来てサンプル的に開いてみましたが普通に開けますね。
これまたWindows/MacOSX/Linuxで動作するマルチプラットフォーム対応が凄いところだと思います。もはやそういうのは当たり前の時代になったのかも知れません。嬉しい時代になりました。
レイヤ機能も備わっていますし、複雑な計算や図面を描く必要が無いのであればLibreCADで十分だと思います。
QCAD
先に記したLibreCADは、QCADという古くからあるフリーのCADがベースとなって開発されている様です。QCADも同様にマルチプラットフォーム対応の様です。全然知りませんでした。ネット上にはQCADの情報の方が多く見られますし、英文の様ですがいくつかの書籍も存在する様です。LibreCADが後発(派生)だから当然ですね。使ってみてしっくり来るかどうか試してみて欲しいです。
LibreCADについて
LibreCADの操作性はAutoCAD的ではありませんので慣れが必要です。しかしCADの一般的な知識は通用するので、コマンド指定の部分や寸法、座標の指定方法を覚えれば、基本的な図形は直ぐに描ける様になると思います。
ユーザーインターフェースは初期設定の時に「Japanese」を選択すればメニューが日本語表示されますので英語に苦労する必要もありません。「編集」-「アプリケーションの設定」から言語を変更出来ます。
ヘルプは残念ながら英文になっていますが、適当にメニューから選択して設定画面を見ていると、やはり汎用CADだなという印象を受けます。基本的な機能を備えているからです。逆に言えば特殊な計算をしたりする機能は無さそうです。残念ながらLibreCADの解説書籍は出版されていない様です。
LibreCADは、汎用CAD的な位置づけだと思うので、操作性に癖があるCADでは無いと感じます。マニュアルの翻訳が進まなければ英文マニュアルを足がかりにして理解をすすめるか、試行錯誤で覚えていくしか無さそうですが、他のCADを使ったことがある方であれば経験上の勘が働くのでさほど敷居は高くありません。
CADについて
CADと呼ばれるアプリは世に沢山存在します。それは用途によって色々な機能が実装されたり、操作性が最適化されているからで、ジャンルや図面の目的によって色々な常識が違っています。用途にあったCADを選ぶのもその目的を少ない労力で得る為には重要と言えます。
その点、汎用CADに求められる機能は、やはりシンプルでスタンダードなインターフェースだと思います。誰でも少し操作してみたら扱える手軽さ、わかりやすさが重要だと思います。LibreCADはまさにそういう位置づけのCADでは無いかと思います。ちょっとした図面を実寸、縮尺を合わせて作図したいというニーズにはCADは欠かせません。
もちろん有償のCADには、目的に特価したものが多数あり、土木、機械、電気などの様々な業種に最適化された機能が実装されて作図が効率よく行える工夫がなされています。
基本的には製図(ルール)がベースとなっているので、そのルールに則った作図が簡単にできるような工夫がなされているので、特殊な目的で専業CADを使うメリットは当然あります。業務で(収入を得て)使うならお金を支払って効率よく作図できる専業CADを選択するのも賢い選択だと思われます。操作になれてしまえば作図の効率が全然違いますからね。もちろん経費(設備費)として資金が必要になりますけどね。
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