Logicool Webcam C920tが不安定なので分解~意外と簡単に原因を特定して修理出来た

PC

ロジクールのWebカメラC920tを使っていましたが、なんか調子が悪くなって以来放置していました。重い腰をあげて修理をする気になったので引っ張りっ出して調べてみることにします。

PCに接続した直後は正常に認識されて使えるのですがしばらく経つと急に映像が乱れてきます。そのうち下の様なエラーが表示されPCがC920tを認識出来なくなるという症状です。

0xA00F4271<MediaCaptureFailedEvent>(ox8007001F)

最初は問題があると言うのですが、更に時間が経つとUSBデバイスとしてカメラを全く認識していません。カメラを未接続の状態でカメラアプリを起動しても下図の様に表示されますのでもはやUSB接続されていない状態と同じです。

最初はWindows OSに関係するドライバの不具合だと思ったのですが、切り分けのために別マシン(Linux)で試しても同じ症状だったので、C920t不良だと診断しました。こんな状態でそのうち修理しようとそのまま放置していたのです。Webカメラを使う出番が少なくてあまり使い込んではいないんですけどなぜ調子が悪くなったのだろう。映像品質的には割と気に入っていて、だてにCarl Zeiss Tessarレンズ使用ではないのかなって感じです。

カール・ツァイス・テッサーレンズはノキアのケータイに搭載されていた機種を好んで愛用していたことがあり、やや個性的な発色が好きです。Webカメラは屋内使用がほとんどなので色味はさほど重要では無いのかも知れませんけどね。「テッサー」はカールツァイスの小型のレンズに付けられる名前の様です。フィルムカメラの時代の「プラナー」の描画には見たことのない画質に感動した経験があります。

LOGICOOL HD プロ ウェブカム C920t

LOGICOOL HD プロ ウェブカム C920t

9,800円(03/28 10:37時点)
Amazonの情報を掲載しています

永らく宿題を残しっぱにしていたのでスッキリしなかったのですが、先日手に入れたLEDライト付きヘッドマウント・ルーペがありますので基板の目視チェック(おそらく半田クラックだろうと想像)もできるかなと面倒くさい思いもありながらやってみることにした次第です。貴重な休日の時間を使ってなのでやる気が出てないと当然やるわけがありません。細かい作業がおっくうになるので歳はとりなくないものです。

分解を開始する

ちょっとリサーチしてみると既に分解して情報を出してくれている人がいるので助かります。だいたいネジが見当たらない場合は貼り付けてあるシールの下にネジを隠していたりするものです。このWebカメラの場合はサイドのマイク底面にあるおむすび型のシールを剥がすとネジが出てきます。ここが肝です。

隠しネジはここにあった

ネジはフィルム状のシールでかくされており、更にゴムっぽいシートで化粧しているので剥がさないと内部にアプローチできません。

ネジを隠してあるゴム&フィルムシート

ネジを2本✕左右で4本外してから、サイドのマイクカバーを取り外しました。爪でこじってみたのですがなかなか頑固で爪が傷だらけになりました。そこで使い古しの歯ブラシを切り落として柄の部分の先端を削って「こじり道具」を自作しました。隙間に差し込んでグイッとすると簡単にステレオマイクカバーが取れました。自作であろうと道具が有れば作業が早いです。 マイナスドライバーでこじるとプラスチックケースが傷だらけになるのでこういう自作の道具を使うと便利です。

自作こじり棒でステレオマイクカバーを外した

次にフロントパネル(透明プラスチックパーツ)を取り外し、見えてきたネジを外してスタンドというか取り付け土台を外しました。ノートパソコンのヒンジみたいな構造になっていますね。

どんどんカバーを外していく

内蓋を外して基板とカメラユニット、左右のマイクが見える様になりました。ここまでアプローチして、遠視対策のために買ったヘッドマウント・ルーペを使って基板を目視チェックしましたが怪しいところは見つかりません。ちょっと見ただけで半田付けの質が悪いのが分かります。これを片っ端から修正するのは勘弁して欲しいので手をつけたくありません。

Logicool C920t 内部

プリント基板裏側で半田クラックが起きている可能性が高いので取り出しました。ひっくり返して見ているとテーブルの上にコツンとモノが落ちた小さな音がしました。正体は小さな半田くずでした。これが原因じゃないかな?

Logicool C920t 内部基板

誰かの役に立つかも知れないので裏側も写真撮っておきました。中央にある白いシートは放熱シートです。写真背景に写っているケースの銀色プレートが放熱板になっており、正方形に飛び出している部分がこの放熱シートに密着する形で組み立てられています。

Logicool C920t 内部基板(裏面)放熱板

カメラモジュールは手で触ると前後するのでオートフォーカスの動作だとわかりました。レンズ部分が多少前後に可動する構造となっていますね。

Logicool C920t カメラユニット

先に記した通り、半田クズが落ちてきたのでおそらく内部で転がって障害を誘発していたと思われるため、ケースから取り出したままの状態で動作確認をします。ブルーのLEDはカメラが動作中に点灯する仕様になっていますので、PCにUSBケーブルを接続してからカメラアプリを起動してしばらく様子をみました。ヒートランテストの開始です。

Logicool C920t 分解した状態で動作確認

無事に30分程のヒートランテストをクリアしたので(もともとは10分以内に症状が出ていた)、手順をさかのぼって組み立てをしました。乱視+遠視の私には小さいネジの種類を見分けるのが実に苦痛だったので、分解する時にネジは分類しておくことをおすすめします。

Logicool C920t 分解メンテナンス後のエージングテスト

組み立て後も左右のブルーLEDがきちんと点灯しており、1時間以上稼働させても全く問題が起きなくなったので、分解修理は無事に成功です。

最後に

内部に落ちていた半田クズのせいで新品購入時から不安定な動作を強いられた私としては、メーカーの品質管理の悪さを嘆いてしまいます。組み立て工程に問題があるとも言えそうです。ケースに組み込む前に基板上のチェックを行っていないのが問題でしょう。

このロジクールもどうせメイドインチャイナだと思います。やはり製造メーカーは順序立てて動作確認をする等の品質管理が必要だと思います。日本国産であっても製造中に不良品は出ます。問題は不良品をそのまま市場に出してしまうか、瀬戸際で発見して不良品として弾いて出荷しないかでメーカーの品質(信頼性)が変わってくるのです。かつてのメイドインジャパンの良さはそういう所にあったと思いますが、製造を中国に移したメーカーも多いので今となってはそういうノウハウも忘れ去られてしまったのかも知れません。

ロジクールは初期不良はすぐ交換してくれる保証の点では評価していますが、保証期間内に不具合が発生せず保証が切れて不具合が発生すればそれまでです。

個人的に感じた反省点としては、横着せず保証期間内のうちに修理(交換)依頼をしておけばこんな手間をかける必要は無かったのに・・と後悔しつつ、乱視+遠視に悩まされる様になってもルーペがあればまだまだ細かい修理も可能だなと、オヤヂの仲間入りしてしまったエンジニアとしては「まだ俺の技術も通用するかな?」とニヤリとしてしまいます。

もちろん分解、組み立てにおいて破損などは生じさせていません。シールは剥がしたので元通りってわけには行きませんが使う分には全く問題ないし、そこに気づかれなければ一度分解したこともわからないレベルでは仕上げています。

こういう細かい作業に際しては細部は見えにくいので眼精疲労は感じますが、それでも合格点は取れていると思います。ともあれ無事に直ったのでまだ当分使えそうです。C920tの画質はWebカメラにしては良い方だと思うので、これからも使っていこうと思います。

コメント

  1. […] ぼちぼち書くブログLogicool Webcam C920tの分解修理~原因特定は無理かなと思ったら中からポロリと半…https://mypace.sasapurin.com/entry/logicool-webcam-c920t-repair/ロジクールのWebカメラC920tを使ってい […]

タイトルとURLをコピーしました