初心者にハイスペックPCが不要論派と必要論派が盛り上がってますな~ちょっと真面目に考えてみた

Linux

Twitterで高校生やら初心者にハイスペックPCは無駄だという論と、逆に初心者だからハイスペックPCが必要だという論で議論が盛り上がっている様です。

個人的な結論を言えば「どっちゃでもええやん」と思うのが私の経験から言える意見です。

私の経験談

私は元々AppleのMacintosh ClassicII、PowerMac 6100改を使って、古の秀逸なアプリを使って色々なものを作る事に専念していたので、簡単に目的が達成できるMacintoshを好んで使っていました。MIDIも当時から手掛けたので目的に近くて、余計なことは考えなくて済むシンプルなパーソナルコンピュータが必要でした。その選択としてMacintoshは適していたとは思いますが、ハッキリ言って割高でした。現在はApple社は大嫌いなのでMacはありえません。

その後、仕事の関係でWindows PC(いわゆるDOS/V)のスキルが必要になり、会社で詳しい同僚に相談して、当時済んでいた大阪で最も便利な日本橋に同行してもらい、DOS/Vの自作パーツを選定してもらって就業後に会社で教わりながら組みました。

当時のWindowsは98SEが最新でした。Socket 370のPentium-IIIで1GHz版が垂涎の的だった時代ですから、思い切って購入して組みました。グラフィックボードなんてものもよく知らなかったのですが、ELSAのGeforce256(だったかな?)を組み込んで、3Dゲームがグリグリ動く様を職場で同僚達が見て、スゲー!って盛り上がったのを覚えてます。

自宅(寮)に持って帰って、J-COMのケーブルインターネット回線を契約して、そこからチマチマと独学の開始を開始したのですが、更に中古でPentium-II(Slot-1)のタワー型マシンを買い足し、LAN内でネットワークのイロハを学習しました。数ヶ月でネットワークスキルの殆どを吸収して、FTPサーバーを立ててインターネットに公開し知らない人達とファイル交換をして遊ぶ事を覚えました。

PC-UNIXと出会った

その頃から興味はファイル交換ではなく、いかに安定したサーバーサービスを提供できるか?ということになり、Windows98SEの安定性の無さに嫌気がさし、WindowsNTを経て、FreeBSDの学習に取り組みました。当時はPC-UNIXをやるならFreeBSDが一番情報も多く信頼性も高かった時代です。

FreeBSDは驚異的な安定性を誇り、WindowsNT系では一ヶ月に一度は何かしらトラブルが起きる(仕事から帰ってみるとトラブって仲間がアクセスできなくなっている)という状態だったのが、FreeBSDにしてから半年、一年とトラブル無しで稼働し続ける事ができたのが衝撃的でした。OSの違いってこんなに凄いのか!と感激したものです。UNIX凄い!と思いましたね。

その頃には更に古いハードウェア(PC)にも興味を持っており、CPUがPentiumや、Pentium-Proだったり、486だったりというレガシーなPCをいかに安定させるかをFreeBSDで実践していました。FreeBSDは本当に凄いOSで、486の古いDynabookで動かしていたWebサーバー(Apache)も数年間トラブル無しでやり過ごしてくれました。最後はハードディスクがクラッシュしました。

貴重な経験(自宅Webサーバーにアクセス殺到)

結婚してからもこういう遊びは地道に続けていましたが、ある日、自宅に帰ると486の古いDynabookで動かしているWebサーバーがめちゃくちゃ忙しく動いている状態に気づきました。

何が起きている?(汗

しばらくログを解析してみたところ、とある芸能人の若い頃の写真をコレクションしていてそれを公開していたページにアクセスが殺到していることが分かりました。「なぜなんだ?」としばらく理由もわからず異常なアクセスログ(グラフ)の上昇を呆然とみている私に、かみさんが言ったのは

「あんたの好きな○○が結婚したな~」と言ったのでした。それで理由が分かりました。私が好きな芸能人が結婚したとニュースが報道したのです。それで私のWebサーバーにアクセスが殺到したのでした。今でいう「バズった」というやつですね。突然の事だったので本当に困惑しました。

当時でも既に古い486のノートパソコンで動かしてたWebサーバーに殺到したアクセスをFreeBSDはトラブル無しにやり過ごしました。そのお祭り騒ぎは2週間ほど続き、潮が引くようにアクセスも減って行きました。世の中の熱(興味)の上がり方と下がり方を目にした貴重な体験でした。

やっぱりPC-UNIXは凄い

PC-UNIXという言葉もすっかり使われなくなりましたし、FreeBSDもすっかりマイナーになった昨今、いわゆるPC-UNIXと言えばLinuxカーネルを採用したLinux系ディストリビューションのOSを指します。有名所ではUbuntuやらLinuxMint等になるのでしょうか。私はLinuxに関してはRedhat系で育ったので、Vinelinuxを愛用していましたが、現在はDebian一辺倒です。Debianが最も扱いやすいLinuxディストリビューションだと思っています。

昨今、世界中でWebサービスを提供しているサーバーのOSとして稼働しているものの多くはLinuxと言われていますし、派生した多くのOSが乱立している状態です。しかし大きく分けると純粋なUNIX、Linux、Windowsに分かれるのではないでしょうか?(最近、仕事の関係でこのジャンルから離れているので疎くなっています)

私が若かりし頃、Windowsの安定性の無さに嫌気がさし、PC-UNIX(FreeBSD)の安定性に惚れ込んだことはやはり本質だったんだなと思います。もちろんWindowsもServer版であれば安定性はかなり高くなります。(私はMCPも取得していますので一応Windows Serverのスキルも身につけています。)

その後、SolarisやAIX等のUNIXマシンも手に入れて学習しました。これはちょっとやりすぎだったかなと若干後悔しています(お金と時間を費やして身につけたものの、それを活かす場が無い)。

PC-UNIX(Linux)は無料で学習出来る

驚異的なのは、やはりPC-UNIXの安定性が無料で手に入るというところです。勉強したければボロい中古PCでも拾ってきて、軽いLinuxディストリビューションを選びインストールすれば、後は勉強し放題です。若い人には是非とも実践してもらって次世代のエンジニアに育って欲しいものです。

私自身、どれだけ途方も無い時間をかけて学習したかは思い出したくもないですが、現在はそういう苦労も無いでしょう。当時はYouTubeなんて便利なものも無かったし、動画レッスンなんかもありませんでしたから、書籍やネットの少ない情報を探し当てて継ぎ接ぎで知識の補完をしたものです。

その代わり、変化の速さは昔とは違うのでそれをリアルタイムで追いかけていく大変さはあると思います。比較的容易にスキルを身につけられるので当然ながらライバルも多くなります。つまり今の時代だから楽ってことは無いのです。

では私が若い頃に膨大な時間をかけて独学で身につけたスキルは無駄だったのかというと、実はそうでもなく、そうやって拾った知識のパーツを組み合わせながら問題や課題を解決していくことこそが「スキル」として身についているので、歳は食ったものの、新しい技術を追いかけてみても割と苦労なく理解することができます。要点を見抜いてそれを調べていくというスキルが身についているからです。

ただし、現在は費やせる時間が無いのでテクノロジーをリアルタイムでは追いかけてはいません。そういう時間があったら家でゆっくり寝たいです。

初心者に高性能なPCは必要か?

さて、かなり脱線したので話を戻しますが、初心者や高校生(中学生)に高性能なPCが必要か否かという議論について、私なりの意見を言うとするならば、可能であればハイスペックなPC環境で始めた方が時間のロスが省けるという事はいうまでもなく正論であり、金で解決できるものなら解決しておいた方が良いと思います。つまりここで既に経済的に裕福な家庭で理解ある親の元に生まれた子は、恵まれた環境で学習するチャンスがあるということが言えます。

ただし、その環境を活かすかどうかは本人次第なので、結局は「本人のやる気、好奇心、探究心」に全てがかかっているということは、私の経験から言い切れますし、その本人が目指す方向性によっても違ってくるでしょう。

人間は失敗しながら成功する方法を見つけて学習するものです。ハイスペックなPC環境で沢山のエラーを繰り返しながら、短時間で数多くのエラーを経験し、成功を体験することができれば時間の節約にもなり多くの経験を積めます。

例えば、動画の編集スキルを身につけようとした場合、編集作業の後にレンダリング処理が発生しますが、この処理時間は待ちとなります。より早くレンダリング処理の結果を得られれば、より多くのレンダリング結果を得ることができますので、短時間で沢山の経験ができます。

一方で、ハイスペックなPCでプログラミング作成スキルを学習したとします。マシンパワーでゴリゴリ処理できる環境で作成したプログラムが、遅いPCで快適に動くという保証はありませんし、その問題に気づくことができない可能性があります。遅いPC環境でいかに効率よく処理が行えるアルゴリズムを考え出すか?というスキルは、もしかするとハイスペックPC環境では気づかない(見落としてしまう)スキルなのかも知れません。

コンピュータ創世記のエンジニアやプログラマーが凄いのは、限られたリソースを無駄なく効率良く活用する方法を見出して、それを具現化するという手法を探り当てていたからです。恵まれた環境で育ったエンジニアには難しいスキルだと思います。

先に結論は言ったけど改めてまとめ

私の考えは先に記しましたが、どっちでもええんじゃね?というのが私の結論です。

必要と思った事を課題として、環境構築をして取り組めば済む問題なので、資金があるならハイスペックPCで時間を短縮すればいいでしょうし、資金が無いなら遅いPC環境で工夫すればそれ相応のスキルが身につきます。両方を手に入れたければ努力するなり工夫するなりするしかありません。

ハイスペックなPC環境が欲しいけど資金が無いなら、お金を稼ぐスキルを身につける必要がありますから、努力することでお金を稼ぐスキルも身につくでしょう(これが最も難しいスキルだと思っている)。

結局、本人の問題なので、親とか周囲がどうこう言っても無意味な議論であり、短時間で結論が出る話でもありません。親のスネをかじれるならかじってハイスペックPCを手に入れれば良いだろうし、そうでないならバイトするなり何か知恵を使って資金を稼げば良いのです。そうする事でPCスキルだけでなく、生きていく為に必要なもっと実践的なスキルが身につきます。

親が高価なPC環境を買い与えても、子がそれを活かせるかは本人次第です。やっぱり当人以外の人間がとやかく言い合っても無駄な議論ですね。

本人にとって必要な環境こそが最適です。それは初心者では見つけられないでしょうし、お金をかければ解決するという問題でもありません。ある程度の時間、努力、工夫が必要です。自分で意識し頭を使うしかありませんね。

私はシンプルな作業環境が好きです。余計な事をしないOSが好きです。作業に最適化した環境は自分で整備するしかありませんし、その正解は自分で試行錯誤しながら見つけるしかありません。ただし金が無いならそれなりに工夫することも可能です。そういう面では今は良い時代になったと思います。

現在の私は自分で培ったスキルを使ってお金をかけずに快適な環境を構築してコンテンツを生み出す作業をしています。そっちを本業にしたいなと考えながら現在はサラリーマン生活を送っていますが、そろそろ潮時かなとも思っています。

生活して行ける程度の稼ぎを得られればサラリーマンを辞めてフリーランスとして自由にやりたいのですが、マネタイズが下手なので現実的には厳しいものがあります。お金を稼ぐ方法を次々と思いつく人が羨ましい限りです。

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