マイドメインでオリジナルメールアドレス
いわゆるマイドメイン(独自ドメイン)を取ってから軽く10年以上経過していますが、自分の愛着のあるドメインで作った同じメールアドレスをずっと使い続けられるのは便利です。昔のガラケー時代はちょっと特殊な携帯電話(初期のスマートフォン)でなければ自前のメールアドレスは使えませんでしたが、現在普及しているスマートフォンなら難なく使用することができます。マイドメインのメールをずっと使えるのは非常に便利です。
マイドメインを使う様になった頃、GoogleのGmailと同様の仕組みをマイドメインで使用できるGoogle Appsなるものがありました。後にG-Suiteなどに改名されたと思いますが、ずっと無料で使い続けられる嬉しいサービスでした。Googleさん本当にありがとう。
Google Appsからさくらのメールボックスに移行した
半年ほど前に、Googleが「このサービスを無料ユーザーに提供するのは止める」という発表をしました。その段階で分かったことは、1ユーザー毎に月額500円程度の費用がかかるということでした。私が使っているマイドメインは複数あり、用途によってメールアドレスを複数分けていることと、家族用のメールアドレスもあり、月額500円では収まらないことを考えるとメールサーバーを引っ越しをするしかないという判断に至りました。
いくつかのレンタルサーバーをリサーチした結果、「さくらのメールボックス」に引っ越しさせることにしましたが、後にGoogleが追加発表した内容では、「個人ユーザー向けであれば無料でサービスを提供し続ける」ということでした。引っ越した後だったのでもう遅いですし、頭の切り替えも必要かなと思ったので割り切りました。Googleさんには無料でずっと使わせて貰っちゃいましたからね。
さくらのメールボックスへ移行
「さくらのメールボックス」への移行は簡単でした。過去にDNSの知識とメールサーバーの知識を使って、自宅にある常時稼働サーバー(Linux)でメールサーバーを動かしていた経験があったからです。
自分でDNSサーバーを立ててインターネットに公開し、メールサーバーも立てて常時稼働で使っていました。初めての時点では全く知識がないのでLinuxでインターネットサーバー構築の参考書籍を読みながら苦戦したのを思い出します。
この経験は非常に有用であって、メールサーバーには送信用、受信用がそれぞれあって、いくつも選択肢がある中から自分に適したアプリを選んで組み合わせて設定しなければなりませんでしたから、深いレベルまでメールサーバーの動きが理解できました。
その設定や運用管理の大変さからすれば、設定さえ済ませばお任せしておけるレンタルサーバーは楽ちんです。しかもやってみたら拍子抜けするほど簡単で、これから自分専用のマイドメインでメールアドレスを作ろうと言う人でも楽勝だと思います。(既にドメインを持っている人はちょっと考えなきゃいけない場面もありました)
必要な費用は?
実際、この引越においても費用のことは考えたのですが、マイドメインの継続利用は私にとっては毎年の決まりごとの様になっているので、あとはメールサーバーの使用料だけが追加となることを考えます。今までずっとGoogleに無料で使わせてもらってましたからね。
メールを持つのには年単位で考えるとわかりやすいです。年額2,500円位です。
- マイドメイン使用料(年)1,500円程度(TLDの種類とレジストラにより差あり)
- メールサーバー利用料(年)1,048円
なお、マイドメインの使用に固執することなく、永続的に同じメールアドレスを使用したいというニーズだけ満たせば良いのであれば、1.のマイドメイン使用料は省くことも可能です。その場合はさくらインターネットのサブドメインを使用することになり、年額1,050円位です。メルアドが若干長くなりますが・・
例)aoipuchu@sasapurin.sakura.ne.jp
※【@sasapurin.sakura.ne.jp】はさくらインターネットの所有物
aoipuchuの部分は任意で数の上限なしに作成可能です。
なお、長期利用が確定なら数年まとめ払いすることで割引もあります。迷惑メールなどで収拾がつかなくなってしまっても即座に別アカウントを作れますし、長期的にメールを使いたい人にとってはオススメです。商売をしている人なんかだとマイドメインのメールアドレスは非常に役立つでしょうね。
(弱点)マルチドメイン対応でもドメインの違いは無視される
これはやってみて失敗したなと分かったマルチドメイン対応の概念の理解の違いでした。
具体的に言うと、私が所有しているドメイン【sasapurin.com】と【s-fact.biz】の使用を想定していましたのでそれについて記します。Googleのサーバーを使っていた時は、aoipuchu@sasapurin.comと、aoipuchu@s-fact.bizは完全に別個のメールアドレスとして使用できました。当然そういうことだと思っていました。
しかし、さくらのメールボックスの場合は同じメールボックスを使用すると、同じユーザー名(@より左側)は同一のメールボックスと定義されます。つまり別々のメールアドレスとして使用する際に制限ができてしまいます。
ここで誤解があるといけないのでくどく記しておきますが、別々のメールアドレスとして受信は可能です。例えば【aoipuchu@sasapurin.com】、【aoipuchu@s-fact.biz】いずれでも受信は可能です。しかし受信したものが同じ【aoipuchu】というメールボックスに入り混在するので使い勝手は制限されます。
送信メールも使い分けることは技術的には可能です。Thunderbirdの場合はメールアドレス毎にSMTPを登録して、送信時に送信メールアドレスを切り替える方法になります。同じメーラーからの送信であればどのメールアドレスから送信しようとしているのか?を意識する必要があります。
面倒なことに私は合計で3つのドメインを使っており、同じユーザー名では混在してしまうのがちょっと面倒でした。ユーザー名を分けておくべきでしたが、やってみないとわからない部分だったので運用でカバーしていくしか無いかなというところです。
ただ、ほとんどの人にとってはこういうマルチドメイン問題は発生しないと思います。
受信サーバーへはIMAPで接続
メールの使用は主にパソコンからになるので、Mozilla Thunderbirdを使用しています。このメーラーは非常に信頼性が高いと思っているので長年使い続けており慣れていることもあって便利です。
近年はスマートフォンでもメールを自由に設定できる時代ですので、スマートフォンにもメーラー(K-9 Mail)をインストールしてIMAPで使用しています。Androidスマートフォンには標準で入っているGmailアプリでもIMAP使用は可能ですが、さくらのメールボックスのIMAPとはマッチングが良くないと感じたので、K-9 Mailを使うことにしました。
受信メールサーバー(IMAP)のメリットは、メーラー側からもファイルを送り込めることです。具体的に言えば、送信済メールをメールサーバーに送りメールサーバー側で保存させることができます。この機能によって、複数端末でメーラーを併用する際にも便利になります。
POP3では送信済みメールは個々のデバイスにしか残らないので、私はもっぱらIMAPを使っています。
Thunderbirdから迷惑メールフォルダが見えない
ところが不便なことが起きました。というより使用はじめからずっと同じだったのですが、迷惑メールが増えてきて対処する必要に迫られました。まずはさくらのメールボックス側でスパム(迷惑)メールと学習させる必要がありました。これで迷惑メールフォルダに入る様になったのですが、メーラー(Thunderbird)側から迷惑メールフォルダが見えないことに気づきました。
Thuderbirdは自動的にIMAPサーバーのディレクトリを設定してくれるので便利に使ってきたのですが、どうやら、さくらのメールボックスでは「購読しているフォルダーのみ表示する」が災いしてしまう様です。レ点を外してやれば全てのIMAPフォルダーがThunderbirdでも見られる様になりました。
これで迷惑メールフォルダに振り分けられたメールも、Thunderbirdで削除することが出来て、いちいちWebメールでさくらのメールボックスにアクセスして掃除しなくても済む様になりました。迷惑メールが少なかった頃には不便とも思わなかったのですが、増えてくるとやっぱりこまめに消したくなります。
最後に
安価に自分専用のメールアドレスを持ち永続的に使用したいと考えている人は、独自ドメイン(1,500円程度/年)と、レンタルサーバー(メール)(1,000円程度/年)程度を検討してみて、価値があると思ったら是非導入していただきたいものです。
特に商売をしている人は、取引先とのメールのやり取りが永続的に続くと思います。また、ISP(プロバイダ)の回線契約をした時に付与されたプロバイダのメールアドレスを使っているのも結構目にします。残念ながらドメインがISPのものなので、パッと見でドメインから判断がつくものではありません。商売なら信用がついて回ることなので、マイドメインで専用のメールアドレスを使うのが理想的だと個人的には思います。
さくらのメールボックスのことでしたら検証できるので、不明点や知りたいことなどありましたらコメントしていただければ回答しようと思います。メールサーバーだけの利用であれば月額にして100円以内に収まるので、サークル活動や就活にも活用できる大学生以上の人には有用だと思います。メールの管理などの経験(概念的な理解)は社会人になった時にも役立つと思います。
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