距離標(キロポスト)をGoogle EarthやGoogle Mapsに取り込む~道路基準点案内システムからCSV変換

私の過去の仕事は、航空業界の通信系、システム系のインフラ屋としてやってきましたが、ひょんなことに現在の仕事先の都合で、全く縁のなかった道路施設の維持管理や整備に関係することになりました。

業務上記せることに限りがありますので一般的なことしか触れられませんが、一般市民として日本国土に住んでいる上で役立つスキルが距離標(キロポスト【KP】)という概念ですので、今日は距離標について記そうと思います。

KP情報を地図上で見られると便利なことが結構あります。

距離標(キロポスト【KP】)という概念

誰しもが知っていると思いますが、日本国内の道路には、国道、県道、市道があります。それぞれ国・県・市が管轄していて、エリアごとに管轄組織にも分担が決まっています。

それくらいは私も現在の仕事に携わる以前から知っていましたが、距離標というものは漠然と知っていた程度であまり意識した事がありませんでした。時々道路に数値を書いた小さな看板が立っているのを見たことがある人もいると思います。

ざっくりと説明すると、国道には「基準点」なる場所(位置)が定められており、そこを【0.0kp】地点とします。つまりそこから国道56号を走った距離により現在の地点のキロポスト【○kp】という情報が得られます。業界関係者なら「R56 ○kp」地点と言えば大体の位置がわかるし、即答できなくても資料を調べれば大体の位置が分かります。

例)R56 ○.○kp地点で落下物

という風な感じで情報を伝えれば国道における地点を伝えることができます。もちろん距離の単位がKmなので【○.○○○kp】と小数点以下の桁数を増やせば1m単位まで刻むことができます。実際はそこまでの精度を出すのは難しいので10m単位程度が現実的だと思います。

こういう知識は中学校くらいで教えるべきだと思います。もしかしたら今は授業で教えているのかも知れませんが、私は習った覚えは全くありません。

引き算すれば特定KPからの距離も計算できる

KP標の便利なところは起点を任意に設定して相対的に算出することができる点にもあります。例えば現在地点が【152.2KP】だとして【80.2KP】からの距離を知りたいとします。この場合は単純に差を算出すれば良いので、152.2KP-80.2KP=72.0kmという計算で大凡の距離が計算できます。

国道から県道に分岐していった場合はその分(県道の長さ)を足して算出すれば良い訳です。コンピュータやスマートフォンが便利になった時代なのであまり活躍する場面はないかも知れませんが、視覚的かつ計算式として残せるので資料として人に伝える場合には非常に役立ちます。

国道56号線(R56)

さて、高知市内を走る国道56号線の基準点【0.0kp】はどこになるのでしょう?私は漠然と「県庁前じゃないか?」と思っておりました。しかし調べてみたら違いました。

一番管理が行き届いていて情報が多い国道における距離標について触れると、「道路基準点案内システム」というサイトから、管轄組織、距離標の情報を調べることができます。

サイトにアクセスしても無骨な構造(UIデザイン)なのでイマイチ興味が沸かないのが一般の人の(私もそうでした)感覚だと思います。しかしここでは面白い情報が得られます。

右側の緑色の操作パネルから、オレンジ色の「ピンポイント表示メニュー」を選ぶと管轄機関から絞り込んでいくことができます。

高知市内の国道の管理は、「四国地方整備局」-「土佐国道事務所」が行っています。路線を「国道56号」にして、「0.0kp」を検索すると基準点が調べられます。

調べてみると県庁前ではなくて、「河ノ瀬交差点」だと分かりました。

国道56号線0.0kp地点

こんなんチマチマやってられんしな

管轄機関、路線(国道)、キロポストを指定すればどこなのかは調べられることがわかりました。しかしこんなことはやってられません。そもそもアプローチの方向が逆です。

一般市民にとってはこの地点のKPはいくつになるのかな?

という視点になるでしょう。ちょっと不親切なサービスだと思います。

そこで、便利にするためにKP情報をごそっとダウンロードして、Google Mapに表示させてしまおうと思います。ここで鋭い人は気づいたと思いますが、右下にある「CSV出力」というボタンです。これを押せばCSVデータが得られることが想像できると思います。

緑色の「エリア表示メニュー」を選びます。

管轄しているCSVデータをごっそりといただいてしまいます。国道56号の高知市内の管轄は「土佐国道事務所」が担当していることがわかったので表示させてみると下図の様になりました。

すかさず右下にある「CSV出力」をクリックしてCSVデータでKP情報をまとめて手に入れます。CSVデータはExcel等で開くことができます。

CSVデータでKP情報をDLする(土佐国道事務所管轄)

私は自宅ではExcelよりもLibreOffice Calcを愛用しているので、Calcで開いてみました。CSVデータの扱いはExcelよりも優秀だと思っています。

LibreOfficeで開いてみた

ざっくりと眺めてみると、基準点となる【0.0kp】河ノ瀬交差点の緯度経度情報を始め、鏡川大橋の北側【-3.8kp】、七子峠【53.2kp】までの国道56合のKP情報が一気に得られました。

しかし、七子峠から西側の情報がありません。どうやら「土佐国道事務所」の管轄ではないらしいです。調べてみると54kp以西は「中村河川国道事務所」の管轄になっている様です。

CSVデータでKP情報をDLする(中村河川国道事務所管轄)

CSVデータでKP標を手に入れたので、後はGoogleの地図サービスにKP情報を取り込んだら便利に使用できます。しかし事は単純ではなくひと手間必要です。

CSVデータをkmlデータに変換する

ここが最大の課題になるところです。

手に入れたKP情報のCSVデータには、KP地点と、緯度、経度情報が入っていますので、適切にkml形式に変換してやればGoogleの地図サービスで使用できます。

道路基準点案内システムがkml形式でDLできるようにしてくれれば面倒はないのですが、この手のジャンルではデータ変換は自分でやるしかないのが実情の様です。大した作業ではないので実装してほしいものですけどね。もはやGoogleの地図サービスは便利過ぎて無視できませんし。

さて、Googleで採用しているkml形式の中身(実態)はXMLフォーマットになっています。つまりCSV形式から取り出してXML形式にうまく当てはめてやるとGoogle地図サービスでKP情報が使用できる様になります。

さらに実際にやってみてひと手間かかる課題は、緯度経度情報の形式が違うので計算してやらなくてはならなかった点です。実際に自分でやってみようと言う人がいるかも知れないので、要点だけ記しておきます。

  1. CSVデータの緯度軽度(時・分・秒)は書式が違うので計算してDEG形式(10進表記)に変換してやる必要があった。
  2. KMLデータのフォーマットは、Google Earthで適当に一つ地点を登録しKMLで書き出すと雛形になる。
  3. 上記で得た雛形を元に、<name>、<longitude>、<latitude>、<coordinates>辺りにCSVデータに含まれるKP名、緯度、経度の情報を埋め込む。
  4. 私はawkを使うのが最も手軽と判断したので、awkスクリプトを作って雛形に当てはめる方法を取った。

1.についての計算式は下記を参考にした。シンプルに言えば【時】はそのままの値、【分】は60で割った値、【秒】は3600で割った値を全て合算するだけで10進表記の値が得られました。下のサイトが参考になるでしょう。

awkを使ってサクッと作ったのでKMLで保存しておきます。(ダウロードできる様にしておきました。)

r56-kiropost-20190810.kml

上のKMLアイコンを右クリックしてリンク先URL(kmlファイル)をコピーし、Google Earth Proで「場所」-「お気に入り」で右クリックし、「追加」-「ネットワークリンク」で追加すればダウンロードせずともマウントして試すことができます。

ネットワーク上にあるKMLにアタッチすると下図の様にKP情報をGoogle Earth Proに表示できます。

後はKMLファイルを自分なりに編集して(ピンマークの色や形を変更したりして)保存すれば、Google Mapsにもインポートすることができます。Google Earthを作業場所にすれば加工したデータはKMZ形式でも保存できます。

地図上に載せたい情報を自分で加工してGoogle Maps(マイマップ)に取り込めるということは、スマートフォンのGoogle MapsでもKP情報を表示させることが可能です。どんどんオリジナルのカスタマイズを施すと自分にとって一番使いやすい情報が作れると思います。

私のスマートフォン(Android)ではGoogle Mapsで距離標を表示できる様にしています。現在地点の大凡のKP情報がわかると仕事において結構便利だったりします。

参考情報

Google Earth Proは簡単に地点情報を地図上に追加できるのでオリジナルの情報を地図にかぶせることができます。自分流のデータベースを作成できる訳です。位置を示す押しピンを追加するだけで緯度経度情報も取得できるので手軽です。地点の緯度経度情報を簡単に得られる方法としてイチオシです。

厳密な位置情報がほしいという場合は、国土地理院のサイトを使うと良いでしょう。国土地理院が提供する情報であれば信頼性は高いと思います。実際のところはGoogle Earth Proで取得した位置情報も正確ですけどね。

私にはジャンル違いであまり縁がなかった道路地図ですが、最近はなくてはならないアイテムとなっています。位置を特定できる機器を個人が手軽にスマートフォンで持ち運べる時代になったわけですから便利な時代だなと思います。一昔前はハンディGPS機器(緯度経度を表示するだけのGPS機器でも安くはなかったし、地図を出せる機器は荒い地図でも非常に高価だった)を買って持ち歩いていたわけですから。

高速道はMapFanで手軽にKPを調べられる

高速道路上のKP情報は残念ながらCSVデータを配布している所を見つけられませんかが、実は手軽にWebで調べられます。MapFanを使えばGPS連動で現在位置を確認出来るのです。

高速道でトラブルが発生した時には現在地点を伝える必要があります。そういう時に凄く便利です。ブックマークに登録しておきたいサイトの一つです。

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